ボージョレ地方で、代々続く栽培・醸造家の家庭に生まれたフィリップ・パカレ。甥のマルセル・ラピエールや醸造長を務めたプリューレ・ロックの教えを講じ、2000年に自らのネゴシアンを立ち上げた。翌年にはファースト・ヴィンテージをリリース。ディジョン大学にて醸造学を学んでいた時に、ビオディナミ農法の先駆者であるジュール・ショヴェと出会い、その事が彼のワイン造りに大きく影響を与えることとなった。自然派ワインの代表格としてその名を世界に轟かせたフィリップ・パカレだが、パカレ本人が自ら自然派を名乗ることはなく、伝統的な本物のブルゴーニュワインを求めた結果がビオディナミ農法に繋がったに過ぎない。また、ロマネコンティの最高の名誉である「ロマネコンティの醸造長」就任を依頼されたにも関わらず、あっさりと断ってしまったという有名な逸話がある程、入手困難な造り手の一人として人気を集めている。