1859年から続く最古のワインのチャリティーオークション「オスピス・ド・ボーヌ」。1443 年、ブルゴーニュ公国の財務長官だったニコラ・ ロランが、妻の懇請を受け、全財産を投じて貧しい人々や老人のための施療院を設立したのが始まりである。ボーヌ地区を中心に多くの名士達がノブレス・オブリージュの精神と自らの栄誉をかけてブルゴーニュ最上と言える畑を施療院へ寄進し、そこで造られたワインを販売して施設の運営資金を賄っていた。現在では60haもの畑を所有している。2005年から英国のクリスティーズがオークションを仕切っており、その収益は現在でも恵まれない人たちへの福祉のために利用されている。オークションは毎年11月の第3日曜日に開催され、寄進者ごとに管理されたキュヴェが樽単位で売買される。落札者はその後ネゴシアンに委託し、熟成から瓶詰めまで行われる。