『No.1048 球のようなまとまり』 昨日の話。 この日は妻が仕事終わりに耳鼻科に行ったとき、近くの大野屋という精肉店で総菜を買って帰ってきた。おお、人気の大野屋の揚げ物が食べられるんだ！嬉しいな。 ここの揚げ物はとにかく美味い！玉ねぎの甘味が強調されたメンチカツに柔らかくジューシーなチキンカツ。そして何よりここのナポリタン風のスパゲティがたまらなく美味い！それまで買ってきてくれるなんて嬉しい限り！ 今宵は美味しいワインでお出迎えしなくてはだ。 そんな感じでこの日の夕飯のメニューは… ・フライ盛り合わせ ・ナポリタン風スパゲティ ・しし唐のグリル ちなみにしし唐グリルは妻自作。そしてワインの方はフランスはジュラ地方のディディエ・グラップのトラミネール・ウィエ2020年をお供に。おお、自分の中でのお宝ディディエ・グラップ。もうこんな夜は飲んでしまうしかない！サヴァニャン100％の一本。 スクリューキャップを抜栓し、グラスに注ぐ。何だかスクリューキャップってこのタイプにしては珍しい気がしないでもないが、僕的には何の問題もない…というか、むしろスクリューキャップにしちゃえばいいのに…と思わなくもないけど。 閑話休題。 鮮やかなレモンイエロー。香りの方は、ほんの少しだが還元的ニュアンスを感じなくもないが、思ったよりおとなしめ。ふんわりとレモンのようなはつらつとした果実香。そして一口…あ、美ん味ぇ！ごめんもう一杯…やば、美味しい。 お口に入ってからの、酸味、果実味、旨味、ミネラルが一つの球となって口から喉を通り、五臓六腑に染み渡っていく。サヴァニャン種のワインって酸味が強いと物の本で読んだが、これは違う。確かに酸味は感じられるが、他の要素の味の邪魔をすることなく、それでいて存在感を感じさせる辺りが絶妙。それは酸味だけでなく他の味覚も同じ。 ピュアで少し野性味を帯びたお転婆さを醸し出しながらも、どこかしらエレガントでセクシー…あぁ、なにいってんだろ？でもそれくらい美味しい。 この日のフライはチキンカツ、メンチカツ、豚肉の大葉チーズ巻き、コロッケなのだが、まぁどれにでも合うわけで。液体の少しオイリィな要素もあって揚げ物との寄り添い具合もまた良し。そしてナポリタンには笑いが止まらないくらいの好相性。ニンニク若干強めの味わいとの相性が良いのだろうかね。とにかくピュアな飲み口は絶妙の一言。樽を使わず、ステンレスタンクを使ってるあたりも影響あるんだろうかな。 何はともあれ、ディディエ・グラップの素晴らしい腕前を感じることができて良かったなぁ…こりゃ星5つで！ ごちそうさまでした！

カリヤカ・ズノリ