トスカーナの造り手さん、ジャコモ・バラルド、リスヴェリオ I.G.T. トスカーナ・ビアンコ、2021vt.です。 久しぶりの宅飲み2本目です。1本目に続けて、こちらもナチュールです。 面白そうな造り手さんだなぁと思い、こちらを一本入手。 ジャコモさんは、大学を出て世界での経験が必要と、ボルドーからニュージー、アルゼンチンにパタゴニア、そしてブルゴーニュには特に足を運び、ド・モンティーユで素晴らしいワイン造りを学び、2016年にヴィニュロンになることを決意。 ジャコモさんは「古いことを新しい方法で行う　これをイノベーションという」と話しているらしい。私は随分前に尊敬する方から「イノベーションの語源は英語で言うと《New Combination》だ」という話を聞いた事がある。その方は、加えて「イノベーションは決してゼロから生まれて来るものではない」と仰っていた。両者の共通項を感じるし、共感するものがある。 裏ラベルはジャコモの指紋と「トレッビアーノとマルヴァージア100%、私の情熱100%」が刻まれている。 濃いめのイエロー。厚みを感じます。 柑橘とトロピカルフルーツ、ハチミツに黄色い花。これもエチケットにデザインされている黄色い花と蜂のイメージそのままです。主張の大きさを感じます。 先ほどいただいたコンプラタシオン・ナチュールほどではないが、ビオ的な香りが鼻に抜けながらの、ややボリュームのあるエントリー。とてもジューシーで果実味の強さが前面に。残糖があるかと思うような香りとは裏腹に、しっかりとドライさがあり、落ち着いた丸みのある酸味はボリュームが大きく、その延長線にグレープフルーツの内果皮を噛むような感覚にミネラルが混じるようなフィニッシュ。 トスカーナ繋がりで思い出したのは、ガヤのカ・マルカンダのヴィスタマーレ。ブドウも違えばワインのテクスチャも違うけど、ヴィスタマーレにビオの概念を加えたような。 ジャコモさんは「実験」「革新」「職人」という言葉が好きらしい。自然派とカテゴライズされるけど、それで一括りにはされたくないようです。ワイン造りは自然の要素は免れないが、かなり人為的で科学的だという。 いいですね、私はこういう思想が大好きです。この思想にこそ自然を受け入れ、侘び寂びに似た謙虚さを保ちながらの進化発展を感じます。「定点観測したい」造り手さんです。

okok530