『No.820 チャーミングな田舎娘』 土曜日の話。 娘とドラえもんの映画を見に行った。こうやって娘と映画を見に行くのがたまの楽しみだったりする。なんか気分転換にもなるし、娘とデートをしているようだし、それにあの映画館に入って映画を見るという行為を娘と体感できるのが何よりうれしいわけで。 薄暗い照明が真っ暗になり、スクリーンの中の鮮やかな世界に引き込まれ、そして見終わった後、夢を見た後のようななんか儚い感じから、映画館を出て現実に帰る感じ… あの感じが僕は何より好きで。それもあって映画館で映画を見るのが大好きなんだよな… …って、閑話休題。 そんなこの日の夕飯のメニューは… ・焼き鳥盛り合わせ ・炊き込みご飯 今日は何だか焼き鳥が食べたくて、帰りに買った次第。そしてこの日はフランスのヴァンサン・トリコのレ・プティット・フルール2013年をお供に。大好きなヴァンサン・トリコの初めて飲むガメイ100％の一本。開ける前から妙にワクワクしているわけで。 抜栓し、グラスに注ぐ。淡く儚げなルビーレッド。香りの方は…少し感じる還元的なニュアンス。そしてその奥からグジュっとしたガメイ特有のジャミーな果実香。そして一口…少しシャープな酸味とほのかに感じる果実味。甘さはそこまで感じず。出汁っぽさや梅カツオ感はほんのり。少しいがらっぽく感じるのは気のせいか…いや、気のせいではない。でも不快感を感じるまではない。 全体的に、ボージョレのガメイのように、エレガントで…という感じではなく、どことなく垢抜けなさはあるんだけど、チャーミングさはしっかり持った感じの飲み口。 よくわかんないかもだけど。 土っぽさを感じるけど、それが長所のような感じ。飲んでくうちに妙に愛着のようなものを感じたり。そして飲みごたえだってちゃんとあるし。焼き鳥と良い相性。個人的には甘辛いたれで焼いたつくねや、豚バラトマトかな。あ、鳥皮とも合ったなぁ。炊き込みご飯食べて、焼き鳥を頬張って、そして飲む。うーん、たまらんなぁ。 てなわけで、チャーミングな田舎娘のような一本だった。ごちそうさまでした。

カリヤカ・ズノリ