新世界である意味最もブルゴーニュ的ピノを作るアタラクシアのバックヴィンテージ。現行の2020年の冷涼感は2024年においてはブルゴーニュを凌ぐほどと感じますがこちらはどうでしょうか？ 結論から言うと完全にピークアウトしており、それもブルゴーニュの古酒のように枯淡な感じではなくハッキリとアンバランスな状態に変化していました。 樽と果実のバランス、甘みと酸味のバランス、全体としてギクシャクした味わいです。もちろんまずくて飲めないと言うほどではなく、良い時を知らなければ新世界のピノにしてはブルゴーニュ的と言う感想もありうる程度ですが、若くして綺麗に熟成したミシェルグロのオートコートドニュイのような表現を知っているこちらからすると満足はできません。 10年近く飲んでいて、どのヴィンテージも異常なまでのバランスの良さに感心していましたが、やはりあの状態がピークなのだなと言う感想です。

Comptoir Tsuki