ローヌとの境界にあるAOCコトー・デクサン・プロヴァンス。タルデュ・ローランやアンドレ・ブルネルなどローヌのツワモノ達の関係者が結集した造り手らしい。関係者ってなんだ。と気になって調べてみると、醸造コンサルタントやセラーマスターなど、なかなかの関係者だった。カネのにおいのするプロジェクトだが、ワインに罪はない。 とっても香り豊か。白桃や柑橘のフレッシュな香りに白い花、スパイス感もあって濃厚であり複雑。口当たりは円く、力強い果実味にこれまた力強いミネラル感が喧嘩せずにうまく調和し、パワフルなのにバランスの取れた味わい。全方位に力が漲っている感じは確かにローヌっぽい。気持ち温度高めのほうが余韻がリッチに感じられる気がする。 薬味たっぷりの酸味強めな油淋鶏とすこぶる相性が良く、個性のある味を見事に受け止めてくれる。繊細な料理はワインのパワーに呑み込まれてしまいそうなので、アタックの強い料理のほうが合うと思う。高級中華よりも町中華か四川料理という感じ。

hbk