マンモスのラベルが印象的な南イタリアワイン。ジンファンデル種。ドンキホーテで約1500円。 外観は、注ぎ口には白っぽさや桃色が混ざる、黒が色濃いガーネット。輪郭にはややくすみが見えるが、色調は深く濃い。輪郭は太くゆっくり全体的に垂れる、しっかりめの14%。 香りは明確にやや熟れた黒ぶどう。ジャムのようなもったりした香り。やや乳清やモツァレラのような乳製品的な香りと、僅かにスモーキーな香りもある。 アタックは意外にも澄んだ印象の飲み口。水のようにスルッとした印象は予想外。味が薄いという訳ではない。キメ細かく柔らかい渋味がじんわりと続き、喉にキックの強いアルコール感が火照る。 甘味はやや熟れた黒ぶどうのニュアンスがあり、甘やかという印象。ただ、スイートな甘さではない。主張はせず、スッと去っていくタイプ。 渋味が主体的。渋味自体は中程度だが、柔らかくキメ細かい、さらさらした印象。伸びやかな余韻がある。苦味の比重が高めだが、ふんわりじんわりの心地良い苦味。香りはスモーキーさがあるが、苦味は樽感よりグリル感。 酸味はほぼ感じないが、僅かに柑橘、黄色いグレープフルーツの皮のニュアンスはある。主体の渋味、苦味に僅かに華やかな印象を与える。 飲み口、味わい共にとても澄み切った、透明感があるという印象。パワフルなマンモスのラベルや、ジンファンデル種からは意外な繊細で上品な味わい。香りのフルーティ感、乳清香は時間が経つ程開き、液はさらりと水のように入ってくるが、じんわり優しく伸びやかな渋味や苦味が広がり、飲みやすいものの、アルコールは14%らしくキックが強いので熱を帯びた酔いの周りが早い。 さらさらとした飲み口ながら、上質な渋味、苦味を楽しめて、強めのアルコールのキックもあるので飲み応えもそれなりに。 アメリカワインのジンファンデルは味濃くパワフルな印象だが、こちらは繊細で上品な印象なのは意外だった。ある意味、マンモスラベルは詐欺だと思う。カクテルで言う、飲みやすく高度数のレディ・キラー。

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