眠れないのでワインを開けました。 ミゲル・トーレス社のマンソ・デ・ヴェラスコ 2003 というワイン。 樹齢100年以上のカベルネソーヴィニヨン100%で作られています。 濃いルビーレッド。透かしても枯れた赤茶の様子はなく、色合いはまだまだ若さを感じます。 いくつもの黒い果実の合わさった凝縮感でパワーのある濃厚な甘い香りが広がります。 煙草のような乾いた香りに花の香りやミントの青い香りもあり変化していくのでいつまでも嗅いでいたくなるような奥深さ、今までの私のチリのイメージとは違う複雑で品の良さがあります。 味わいはタンニンが滑らかで香りからくる甘さと裏腹に酸やほろ苦さ、スパイシーな辛味を感じます。 アルコール分が豊かで余韻が長いので、じっくり向き合うタイプなのかな。 イベリコ豚のパテをクラッカーに乗せて食べましたが、このワインは軽飲み用のつまみじゃなく、居住まいを正してちゃんとした料理と合わせたくなります。 友人を訪ねたら、古く手入れの行き届いた邸宅、どっしりとした調度品や家具に囲まれて、革の装丁の古い書物が壁面にずらっと納められた部屋に通されてびっくりした感じ。 真面目で古式ゆかしいような、それでいて窓の外は陽射しが明るくて。

Kayoko Suzuki2