Like!:4
2.5
シラー(ズ)知らずに森の中…その41 2021 アンドリュー・ピース・ワインズ シラーズ メトード・リパッソ スワン・ヒル ビクトリア/オーストラリア 水曜日のワイン。 非常に珍しい(?)シラーズのリパッソです。 「リパッソ」といえば、イタリア、ヴェネト州のアマローネの副産物のようなワインですね。 彼の地では、陰干しぶどうでアマローネをつくった後の、まだ糖分の残った搾りかすを、通常の赤ワインの発酵過程に継ぎ足し、再醗酵(リパッソ/Ripasso)させたもの。 元の赤ワインより凝縮感のある、果実味たっぷりの濃厚で力強いワインになります。 このオーストラリアのリパッソは、ヴェネト式をベースにした、より贅沢なつくり方。 通常のぶどうでベースの赤ワインをつくるところまでは同じですが、ヴェネトのリパッソが搾りかすを加えるのに対して、こちらは陰干しぶどうを丸ごと使い、複雑で旨みの強いワインを生み出しています。 バックグラウンドの説明が終わったところで、改めてワインと向き合ってみましょう。 クロージャはオーストラリアのデフォルトともいえるスクリューキャップ。 複雑なデザインのエンブレム(?)を上手く取り込んだ、イタリア風のクラシックなラインを狙ったと思しき、「旧世界的」なイメージのボトルデザインです。 外観は、真横から見ると濃いガーネットみたいですが、真上から見ると、意外に透明度の高い、深みのあるルビーという印象。 中心部からリムにかけて緩やかな階調ができていて、美しいグラデーションをつくっています。 香りは、ブラックベリーや未熟なカシスなど、やや酸の強そうな黒果実を中心に、ピィパーズとかヒハツ、ヒバーチと呼ばれる沖縄の島胡椒、ホワイトペッパー、ナツメグなどのスパイス類、ミントのような爽やかな青っぽさ、微かにエスプレッソのような香ばしさも漂ってきますね⁉︎ 口に含むと、とても滑らかでスムーズ、意外に粘性は高くないかも? と、少し拍子抜けしてしまいました(苦笑) アルコールに転換しきれなかった糖分が、それなりに残っているようで、少し甘さを感じるファーストアタック。 m(_ _)m アルコール度数は15%ありますので、酒精感、ボリューム感はそこそこ強く感じますが、ワイン自体が「濃厚」という感じではありません。 フレッシュな果実味と、黒糖キャンディを舐めたときみたいな強い旨み、それらを下支えする強かな酸が不思議なバランスを保っていて、全体的にとてもキレイにまとまった味わいだと思います。 余韻は、少し短めに感じますが、この価格帯(2000円前後)ならば、アベレージ以上かも? 後口には、ふわりと軽い苦味と、和三盆を舐めた後のような上品なエグ味が残り、そういえば、陰干しぶどうを使ったワインだったなぁ…と、しみじみした気持ちになりました。 味わいとしては、「ガツン!」でもなく、「洗練」でもなく、「マニアック」というわけでもないのですが、どこか普通とは異なる佇まいのシラーズ。 何か面白いワインない? なんて気分の時に、けっこうピタッとハマるワインかもしれません(苦笑)
iri2618 STOP WARS
Vinica アプリ 無料ワインを探す・記録・SNS
使い方・機能紹介を見る
シラー(ズ)知らずに森の中…その41 2021 アンドリュー・ピース・ワインズ シラーズ メトード・リパッソ スワン・ヒル ビクトリア/オーストラリア 水曜日のワイン。 非常に珍しい(?)シラーズのリパッソです。 「リパッソ」といえば、イタリア、ヴェネト州のアマローネの副産物のようなワインですね。 彼の地では、陰干しぶどうでアマローネをつくった後の、まだ糖分の残った搾りかすを、通常の赤ワインの発酵過程に継ぎ足し、再醗酵(リパッソ/Ripasso)させたもの。 元の赤ワインより凝縮感のある、果実味たっぷりの濃厚で力強いワインになります。 このオーストラリアのリパッソは、ヴェネト式をベースにした、より贅沢なつくり方。 通常のぶどうでベースの赤ワインをつくるところまでは同じですが、ヴェネトのリパッソが搾りかすを加えるのに対して、こちらは陰干しぶどうを丸ごと使い、複雑で旨みの強いワインを生み出しています。 バックグラウンドの説明が終わったところで、改めてワインと向き合ってみましょう。 クロージャはオーストラリアのデフォルトともいえるスクリューキャップ。 複雑なデザインのエンブレム(?)を上手く取り込んだ、イタリア風のクラシックなラインを狙ったと思しき、「旧世界的」なイメージのボトルデザインです。 外観は、真横から見ると濃いガーネットみたいですが、真上から見ると、意外に透明度の高い、深みのあるルビーという印象。 中心部からリムにかけて緩やかな階調ができていて、美しいグラデーションをつくっています。 香りは、ブラックベリーや未熟なカシスなど、やや酸の強そうな黒果実を中心に、ピィパーズとかヒハツ、ヒバーチと呼ばれる沖縄の島胡椒、ホワイトペッパー、ナツメグなどのスパイス類、ミントのような爽やかな青っぽさ、微かにエスプレッソのような香ばしさも漂ってきますね⁉︎ 口に含むと、とても滑らかでスムーズ、意外に粘性は高くないかも? と、少し拍子抜けしてしまいました(苦笑) アルコールに転換しきれなかった糖分が、それなりに残っているようで、少し甘さを感じるファーストアタック。 m(_ _)m アルコール度数は15%ありますので、酒精感、ボリューム感はそこそこ強く感じますが、ワイン自体が「濃厚」という感じではありません。 フレッシュな果実味と、黒糖キャンディを舐めたときみたいな強い旨み、それらを下支えする強かな酸が不思議なバランスを保っていて、全体的にとてもキレイにまとまった味わいだと思います。 余韻は、少し短めに感じますが、この価格帯(2000円前後)ならば、アベレージ以上かも? 後口には、ふわりと軽い苦味と、和三盆を舐めた後のような上品なエグ味が残り、そういえば、陰干しぶどうを使ったワインだったなぁ…と、しみじみした気持ちになりました。 味わいとしては、「ガツン!」でもなく、「洗練」でもなく、「マニアック」というわけでもないのですが、どこか普通とは異なる佇まいのシラーズ。 何か面白いワインない? なんて気分の時に、けっこうピタッとハマるワインかもしれません(苦笑)
iri2618 STOP WARS