前ポストのトレンサードに引き続きカナリア諸島。 envinateは『土とワイン』でも取り上げられていた生産者。 少し淡めのルビー色。 全体的には赤色のトーンで、縁はやや褐色がかっている。 粘性は強い。 自然派を思わせるスーボワや朽ちた木の香り。 イチゴやラズベリーといった果実。 赤〜紫の花。牡丹。 ドライハーブ。バジルやオレガノ。 ドライトマト。 なめし革。 酸を強く感じるアタック。 一方でボリューム感は抑えられており、アルコール度数は13%未満。 旨味、エキス分が豊富で、ワイン自体に味が付いているかのよう。 ヨウ素や塩味といった海のニュアンスがある。 火山性土壌を思わせる鉄分と、硬い酸による引き締まった体躯。 唾液を誘う噛み締めるようなタンニンは、粒度も感じつつ緻密である。 あまり酸化的でないニュートラルな容器。コンクリートタンク熟成。 ヴァルテッリーナのキュアヴェンナスカに類似しているが、アルコール度数は低くタンニンはややマイルドであり、何より海のニュアンスが強い点が大きく異なる。 これで4千円代。グレドス山脈といいカナリア諸島といい、スペインのコスパは異常。 空き瓶：597g コルク：49mm（天然） 　 インポーターカタログより。 品種：リスタン・ネグロ 植樹：1910年代以前 位置：標高300～600m、北向き 土壌：2区画とも火山岩土壌だが、片方はより粘土質 醸造：コンクリートタンク、開放槽で20~30日間のマセレーション。ニュートラルな600L樽と228L樽で12ヵ月間熟成。 畑のあるオロターヴァと呼ばれる地域では、コルドン・トレンサード（三つ編み仕立て）と呼ばれる、古い仕立て方を採用している。複数の苗を一か所に植えて、それをお互いに絡ませながら枝を伸ばしていき、長いものでは10m以上にもなる。根本が一ヵ所に固まっているので、冬の間は枝を一方向にまとめてどかしておいて、他の作物を栽培することが出来る。100年以上もこの地域で続く、昔ながらの栽培方法。ワイン名は畑の呼称に由来しており、荒々しさと瑞々しさを両立したワインが出来る。

genchidx2