やや濁りモヤのかかる、黄金色がかったやや濃いイエロー。粘性はやや濃くディスクは厚い。成熟度が高く熟成した印象。 香りの第一印象は控えめ。特徴として、リンゴ、洋梨、バナナ、キンモクセイ、アニス、お香、ジンジャー。酸化熟成のニュアンスが見られ、ニュートラルな印象。 アタックはやや軽く、甘みはまろやか。なめらかな酸味と穏やかな苦味。スムースでドライなバランス。アルコール感はやや軽く、余韻もやや短い。 エレガントでミネラリーなワイン。温度は11℃〜14℃、グラスは中庸。 ゆったりとした空間、できれば二人以内で。酔いのまわっていない2軒目の一杯目。北海道の優しい白カビ、お新香、柔らかい塩気のあるもの。 久しぶりの濁りワイン。いやらしさのないフェノールの香り。香りのボリュームは小さいながらもしっかりしていて、スワリングしても別の香りに変わることなく、そのまま少しだけ大きくなる。スイカを皮の付近まで食べているような味わい。味わいはしっかりしていながらも、全体的に優しい印象。さっぱりときれいに流れでも、不足はない飲み心地。苦味も穏やかに寄り添う、馴染むワイン。 マーケティングの問題もあるのだろうが、ワインも清酒も互いの用語を無理に持ち出す必要はないと思う。

瀬戸 咲弥