食事の後でグラスでいただいたのは、ボデガス・ヒメネス・スピノラ　ペドロ・ヒメネス　シェリーです。 ボデガというのは、スペインではワイン生産をする建物だけでなく、生産企業の意味もあるそうです。フランスでいうシャトーとかドメーヌに近いものでしょうか。 ペドロ・ヒメネスというのは、ブドウの品種です。ただ、ヒメネス・スピノラ社のものは、100％手摘みの100％天日干し。1トンのブドウからは、果汁は200リットルしか得られないところまで凝縮される。 また、シェリーと言っているものの、酒精強化や補酸なども行っていないため、厳密には、果実酒扱いだそうです。 最低15年の熟成を経て、年間8000本だけリリースされる極甘口のシェリー。 濃いブラウンの外観。トロリとした非常に高い粘性を感じる。 芳醇な甘い香りが漂います。ありとあらゆる熟した果実、蜜が滴るようなアロマやドライフルーツの香りが沸き立ちます。キャラメルにバニラ、ナッツのような香りも。 トロンとした舌ざわり。口内は微かな酸味を伴った、丸みのある甘味で満たされます。丸くまとまった甘さは、そのボリュームは大きなものでありながら、音楽でいうなら、真空管アンプの大音量で聴くクラシックのよう。 素晴らしい熟成感。極甘系では、トップクラスの経験をさせていただきました。

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