宮城のスーパー、ヨークベニマルで購入。約1500円程度だった気がする。岩手県花巻のワイナリーのワイン。キャンベル種。 外観は透明感が高く輝きのある明るいルビー。僅かに濃いめのオレンジやピンクも混ざるようなイメージ。脚は輪郭が細く出るだけで全く垂れない、10.5%。 香りは中程度には開いており、明確に甘くフレッシュ、ジューシー。生食用のぶどうそのものの香りで、スーパーでよく見るデラウェア種や巨峰の、よく熟れた甘い香り。 アタックはややとろみのある液質と、舌には甘さを感じつつ、飲み込むと喉に心地良い枝のような苦味。アルコールは弱めながら、息を吸うとやや冷涼感のあるスッとした感覚がある。 甘味が主体的。香り通りに生食用のフルーティでフレッシュなぶどうの甘味。ただ甘いだけでなく、よく熟れた皮目の苦味や酸味も僅かにある。液質のとろみもあり、ややベタつく甘味のイメージだが、ガムシロップ感は無く、余韻は短めなので、嫌な甘さではない。かなり高い糖がアルコール分解されて、甘さは残しつつベタつきは無くなりさらさらした感じ、と言えば分かるだろうか。 渋味自体は無いが、強くないが苦味の骨格は意外とある。香り通りに太めの枝や濃い皮由来の苦味だが、甘味を下支えする心地良い苦味。僅かに渋味もあるが、これも巨峰的な熟れた濃く厚い皮を思わせる植物的な柔らかく優しいタンニン。 酸味は殆ど無いが、フルーティなぶどうの甘酸っぱさがある。強い甘味と、それを下支えする渋味に隠れるが、渋味を少し伸ばすような仄かな酸。 全体的にフレッシュだフルーティな、ジュースのようなワイン。間違いなく甘口のライトボディなのだが、ライトな日本ワインにありがちな薄いという感じは無く、甘味が際立ちながらも渋味と酸味がよく下支えしていて、甘味主体にバランスが良い。液質はとろみがあり、飲み応えもライトボディとしてはそれなりに。甘味が強いので、食事に合わせるよりはデザートワイン寄りだが、塩気のあるチーズと合わせると、チーズのコクを引き出して、とても良いマリアージュ。チーズ好きには是非合わせて貰いたい、良質なワイン。

HighField07