エッジには若干イエローが見て取れる、かなりの熟成感がある澄んだオレンジの色調。ニッキやジンジャー、アプリコット、オレンジピール、レーズン、ドライアップル、イチゴキャンディ、ブリオッシュやトースト、黄色やオレンジの花のフローラル感。海苔の佃煮のようなニュアンスも。古酒ながらも香りのボリュームは大きく空間を支配する。もはやルージュの域を超え、ブランの要素を含む複雑で蠱惑的な印象。滑らかなアタック、優しく柔らかい果実味の中にタンニンは完全に溶け込み穏やかな酸が感じ取れる。繊細で透き通るようなフィネスが長く続く。様々な要素が融合し特異な存在へと進化、捉え所が無く魅惑的。これまでの経験の中で最古のブルゴーニュ 。つくづくワインの奥深さに感嘆する。

AKI5878