澄んだ輝きのある、オレンジがかったやや濃いラズベリーレッド。粘性はやや強く、ディスクもやや厚い。軽快で若い状態を抜けた外観の印象。 香りの第一印象は、開いていて華やか。特徴として、ラズベリー、ブルーベリー、カシス、スミレ、ドライハーブ、コーヒー、シナモン、ロースト等。第一アロマが強く、木樽からのニュアンスも感じられる。 アタックはやや強く、甘みは控えめ。なめらかな酸味とサラサラとしたタンニン。固くありながらも流れるようなバランス。アルコール感はやや強く、余韻はやや短い。 シンプル、フレッシュ感を楽しむワイン。提供温度は１４〜１６度、事前にデカンタできればなおよい(３０分前)。 サルデーニャでとりあえずワインを挙げてくださいと言われれば、一番に思い浮かべる生産者。弁護士やエンジニアがスタートさせたのはよく聞く話だが、時代も相まって苗木業から初めたのはとても特徴的だと感じる。シンボルマークの真ん中の何が挟まっているのかずっと気になっていたが、布で圧搾する作業をアシストする人間であるとわかりスッキリ。カンノナウが特有の品種化はさておき、熟成やコルクの記載について、インポーターと実物やサイトの記載でなんとなく違いがあるような気もするが、イタリアだからで納得させようと思う。 色合いや透明度は、淡いダークチェリーレッドか、コメントか迷うような色調。しっかりとグラスの底を通して文字が見える透明度。 サービスした瞬間に、イチゴやベリーのジャムを思わせる甘やかな香りが漂ってきたものの、すぐさま樽のロースト感が全体を抑え、アロマよりもブーケに注意が行きがちになる。 前回のバルベーラが思い出されるような食感や酸量で、後口まで響く高カカオチョコのような苦味が特徴的。イタリアのレゼルバですと、言われると納得し、熟成したグルナッシュですと、言われると恐らく混乱する。 冷蔵庫からだしてすぐサーヴすると、機嫌が悪いタイプ。 天候は問わず、忙しいランチの中でも。小さなテーブルを囲む人数まで。熟成の浅いハード、エビフライとタルタルソース、博多カステラ(甘食)

瀬戸 咲弥