大好きな一本。メルロー100% メルローらしい果実味とエレガントさのバランスに優れた逸品。 このシャトーのオーナーはペトリュスで修行した経験を持ち、その奥さんがエノロジストを務める。土壌、日照などの条件をクリアした極上のメルローだけを使い、年間約300ケースしか作られない貴重品。 香りはふっくらとしたベリーのニュアンスが素朴で可憐なイメージを思わせ、開いた時に香る微かな樽香は森の木々のような安らかさがある。まさにメルローかくありきといった香り。 口に含むと、シルキーな舌触りのタンニンが心地よく、ブラックベリーやプルーン、カシスなどの果実味が複雑かつ優しく広がる。スパイスはほとんどなく、後からくるエレガントな渋みはハーブを思わせ、カベフラっぽさを感じる。 華やかさ、可憐さ、儚さ、エレガントさを備えたメルローワインの完成形。 2014年も飲んだが、味の複雑さやエレガントさでは、2012年の方が勝る。

くろはち