味わい |
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香り |
ワイン名 | Friedrich Becker Syrah |
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生産地 | Germany > Pfalz |
生産者 | |
品種 | Syrah (シラー) |
スタイル | Red Wine |
2022/09/18
(2012)
価格:5,000円 ~ 6,999円(ボトル / ショップ)
シラー(ズ)知らずに森の中…その14 2012 フリードリッヒ・ベッカー シラー プファルツ/ドイツ 木曜日のワイン。 帰宅後すぐにステーキを焼き、賞味期限大幅切れのフムスとレバーペーストと黒くなったアボカドを混ぜ合わせたものにチーズを乗せたチンしたつけ合わせ、カリフラワーの蒸し焼きなどに合わせて赤ワイン。 ドイツのシラーというだけで珍しい気がしますが、ベッカーのシラーはこの2012が唯一の生産年だそうで、やはりレアもの。 さあ、どんなシラーでしょう? 外観は、深みのあるガーネット。10年経過の割には熟成感はそれほど見られず、若々しい印象。 香りは、典型的なブラックペッパーを思わせる、スパイシーなトップノート。 次いで、ブラックチェリーやカシスの黒果実にフランボワーズ的な赤果実香。 黒土やレザー、リコリスなども取れて、熟成感や複雑さも出ています。 口に含むと、かなりドライでスパイシーな北部ローヌのシラーのような味わい。 マスタードを効かせたステーキにめちゃくちゃ合いますが、ワイン単体ではかなりシンプルに感じるだろうなぁ…という印象を持ちました。 シラーの樹は1999年に植えられたもので、ベッカーがその畑を購入したのが2012年。 収穫されたぶどうで、フリードリッヒ・ベッカー唯一のシラーを仕込んだ後は、すべて別の品種に改植してしまったそうです。 ワインをつくったのは間違いなくベッカーですが、ぶどうづくりにはほとんど関与しておらず、彼の哲学が反映されたワインとは言いがたいものがあったのでしょうね。 彼の素晴らしいピノ・ノワールを愛好する者として、私もこのワインの仕上がりには違和感があります。 このシラー、少し生真面目過ぎるのです。 香り、味わいともに典型的な北部ローヌのシラーのようで、とても良いワインなのですが、それ以上でもそれ以下でもない「匿名のワイン」という感じ…。 とかなんとか、もっともらしいことを語っていますが、実は、ワインそのものにあまりフォーカスできない事情があり、風味や味わいの記憶に少し曖昧なところがあります。 というのも、次男が土曜日から一人暮らしを始めるため、4人揃って晩ごはんを食べるのは、この日が最後。謂わば「最後の晩餐」のワインがこちらだったのです。 家族一同、土曜日からのあれやこれやで頭がいっぱいで、ワインのことなど、二の次三の次というのが正直なところ。 しかし、後で考えれば、味わいや風味のディテールはさて置き、「はなむけのワイン」として、このワインのストーリーは、ちょっとどうかと思いますね(苦笑)
2022/03/20
(2012)
赤い果実の香り、開けたてはバナナの皮のニュアンス、木の鞣し革、チェリー、硬い質感、赤いリンゴの皮の香り、恐らくピークは過ぎている。ベッカーが引っこ抜いたと知って飲むとアラを探してしまうが、分からなくもない。 ブラインドで飲んだら、スパイシーさ、冷たさ、硬さ、トップの高さ、余韻の長さ、土っぽさ、味の際の強さを感じる。土、タンニン、酸が同居している。ほんのり、牛蒡のニュアンス、土つきニンジン、野性味、キリリと締める酸味。間違いなくシラー。しかも実質アルザス。これは二重三重に面白い。 八日目。木のニュアンスを深く感じる。最後のひと注ぎなので細かい澱も一緒に感じられるが、それがかえっていいアクセントになっている。静かできれいな森の雰囲気。
2021/12/22
(2012)