『No.812 バランスの良いロバ』 金曜日の話。 寒い日が続くと、ついついあったかいメニューを食べたくなる。鍋料理やシチューとか。今日も娘と今夜のメニューはなんだろね？なんて話しながら帰ってきたら… どうやら今夜はシチューのようだ。こりゃテンションあがるね。早速手を洗って食卓の準備しなきゃである となると、この日の夕飯のメニューは… ・クリームシチュー ・トマトとツナのフジッリ そしてこの日はイタリアのラーチノのラーリオ・デル・アージノ2019年をお供に。グレーコ・ビアンコ100％のワイン。ラーチノはあまりなじみのない葡萄で面白いワインを作ってくれるから結構好きだったりするのだが、今回のワインはどんなだろ？ちなみにエチケットは完全に僕好みだったりする。 抜栓しグラスに注ぐとフワッとトロピカルな甘い果実の香りやレモンティックな柑橘の香り。そして一口…バナナやパイナップルのような、甘い果実味にキュッと締めるような酸味。そしてコリコリっとしたミネラル感。あ、これは美味しいし、何よりこのバランス感覚が絶妙。それぞれの味わいがいい感じに混ざり合いつつ、互いの良さを引き出してる感じ。これはたまらんなぁ。 妻特製のクリームシチューに絶妙に合う！美味しいし料理に寄り添うさまが絶妙。そしてトマトとツナのフジッリにこれまた合うもんだから始末に悪い(いい意味で)。ホワイトミート系の食事からシーフード、野菜中心のメニューなんかに合うんだろうなぁ…とついつい杯が進むし、食事も進む。あと液体がわりとサラリってのがあるからか、食事中も口中がさっぱりする。これはリセット感が良いということなんだろう。 そして、時間が経過すると味わいに丸みというか、よいふくらみを感じて」これが妙に心地良いのだ、不思議と。酸味が少し後ろに下がり、果実味がちょっと前面に出た感じなのかな。 何はともあれ、とっても美味しい一本だったかな。ごちそうさまでした！

カリヤカ・ズノリ