『No.941 ワインの沼』 残業で遅くなった。家に帰ると妻と娘は夕飯を済ませていた。とりあえず風呂に入り、食卓を見ると、鮭の塩焼きの姿…あらま、美味しそう。母型の親戚が毎年送ってくるやつだ。この鮭、脂がのってて美味しいんだよなぁ。 となると、今夜は何飲もうかなぁ…ってことで、セラーからこれぞというやつを選んだ次第。 そんな今夜の夕飯のメニューは… ・鮭の塩焼き ・ジャガイモとブロッコリーの炒め物 ・茄子の煮びたし(冷凍物) ついつい茄子の煮びたしもストックしてるやつを解凍して食卓に。そして今夜はシャトーメルシャンの岩出甲州きいろ香・キュヴェ・ウエノ2018年をお供に。甲州きいろ香は僕の中では特別の品。このワインをきっかけにワインの沼にはまってしまったわけで。そんな甲州きいろ香の上級キュヴェ、ありがたく頂戴しよう。 スクリューキャップを開け、グラスに注ぐ。実に淡い黄金色。フワッと柑橘の香りが漂ってくる。早速一口…キュッとくる少し強めの酸味が心地良い。ん？ほんの少しだけガス感を感じるような…。辛口で後味キリリ。ミネラルコリコリでほんの少し醸し出される白桃っぽさ。 やはり美味しい。背筋がピーンッてなりそうな佇まいの良さ。 単体でも良いが、やはり料理に合わせると、良さがググっと引き立つ当たり流石だなぁ。脂ののった鮭とほんとによく合う。もう止まんないもん。そしてこれも合わないわけがない茄子の煮びたし。じゅんわり味が染みた茄子にきいろ香を流し込む。至福の一時だわ。 いろんなワインを飲んでるうちに、ついついおざなりになっちゃったけど、こうやってまた久しぶりに(そこまで久しぶりじゃないか…)、手にして飲んでみて、改めてこのワインの良さが見えてきた。凛として物静かで、そして相手(ここでは料理)の良さを引き立てて…まぁ要は美味しいってことで(今までの流れがおじゃん) 僕をワインの沼に引きづりやがった、甲州きいろ香には感謝しかない。そしてまたこれからも追っかけていこうと思いなおした次第。 ごちそうさまでした。

カリヤカ・ズノリ