チャールズスミスが作るコストコブランドワイン。 価格競争力が圧倒的な小売店で販売するなら既存のラインとは異なるキュベとするのが正解かと思う。 安くて美味しい樽ドネが飲みたい、という時には筆頭候補になるだろうワイン。 ただ、やや不可解なのがこれがシングルヴィンヤードものであるという点。コロンビアヴァレーAVAの下位AVAであるアンシャントレイクスAVAのエヴァーグリーンヴィンヤードの表記があるのだ。 リースリングメインで白ブドウ品種が作られているこの畑は、ミズーラフラッドという氷河系大洪水で表層の土壌をこそぎとられた非常にシャルドネ向けと言えるプロフィールを持つ。 なぜそんな素晴らしい畑のブドウを使ってコストコ向けに安価なワインを天才チャールズスミスが作っているのか。謎だらけである。 まあ恐らくは訳ありでそこのブドウが入手可能になったのだろうが、コストコサイドとしても消費者サイドとしても全く悪くない話ではある。その畑の最高品質のブドウでないことは間違いないが、ワイン好きにとって産地を狭く絞れるという事は嬉しいことだ。 いつの日かその畑の優良なリースリングやシャルドネを飲んだ時に、この格安経験と繋げることが出来るのだから。 その日のために、もう少しこのワインを味わいながら飲んでみることとしよう。

m.shingo