2020 ジャン・ルイ・シャーヴ・セレクション　サン・ジョセフ・ブラン　シルカ　コート・デュ・ローヌ/フランス 木曜日のワイン。 7月のジャン・ルイ・シャーヴの試飲セミナーで気に入って購入したサン・ジョセフの白です。 ルーサンヌ100%のはずなんだけど、多分若干のマルサンヌもフィールドブレンドされているかも？ というワイン。 畑の中にある古樹のブロックは、 ルーサンヌかマルサンヌか、ハッキリ区別つかないためだそうです。 人間でも、時々、ぱっと見がお爺ちゃんなんだかお婆ちゃんなんだか区別がつかない時がありますが、そんな感じ？ ワインは、その穏やかで静かな佇まいは、清冽な川の流れの中にできた、とても大きなエネルギーを湛える深い淵のような印象を受けるワイン。 外観は淡いライトゴールド。非常に複雑な屈折率を持った液体で、どこから眺めてもワインがグニャグニャ歪んで見えます。 グラスからは、和の柑橘にネクタリン、硬い白桃のような果実香に、白〜黄色い花の香り。 微かに火打ち石やチョークのような尖ったミネラルのニュアンスに、白檀のようなインセンスも 口に含むと、とてもまろやかで優しく、なめらかな口あたり。 分厚い果実の旨みに、強過ぎる旨みから転じたような柔らかな苦みもあって、全体に強度の高い味わい。 酸は低めですが、じわじわっと効いている太い感じの酸。 いやあ、美味しいですね♪ 先日試飲した際は、10年ぐらい経たないと本当の飲み頃にはならないのではないか？と思いましたが、自宅で改めて飲んでみて、考えを変えました。訂正します。 このワインは、既に十分美味しくて、早くも飲み頃に入っていると思います。そして、おそらく10年以上をかけてゆっくりと力強く向上していくのではないかと思います。 ワインにはひとつの決まった飲み頃があるのではなく、飲むタイミングにより、別の表情、異なる美味しさがあるのではないでしょうか？ 分水嶺から湧き出した清らかな源流が、険しい谷を穿つ激しい流れの渓流へ姿を変え、やがて開放的な早瀬を経て、多くの流れを集めた雄大な大河へと育ち、最終的には海に至る。 出会う度にその姿は異なるかもしれません。 今日は静かな淵のような姿でしたが、見つめているのは同じひとつの川の流れなのです。 ジャン・ルイ・シャーヴのシルカも、きっとそんな多様な飲み頃の姿を、この先も見せてくれるに違いありません。

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