三本目はこのワインでした。調べてみるとクロ・デュ・ムーラン・オー・モワーヌは、オークセイ・デュレスにある元修道院だった歴史のある美しい建物を本拠にする新星ドメーヌです。 修道士によって10世紀に発見されたという区画、ムーラン・オー・モワーヌを現オーナーのアンドリュー家が手に入れたのが2008年のこと。それまでは、なんと西暦962年から6世紀もの長きにわたって、シトー派の修道僧によって管理されていた、神秘的な区画なのです。 その区画で育ったぶどうを使ったワインが、21世紀に入り、ついにアンドリュー家によって正式に復活したといえるのがこのキュヴエです。今回ご紹介するのは、そのアンドリュー家が手がけた、ファーストヴィンテージとなる2008年。単独所有の区画ムーラン・オー・モワーヌの中でも、古木から収穫したぶどうだけを使いヴィエイユ・ヴィーニュと名付けられた上級品です。生産者の実力が問われる年といわれる2008ヴィンテージですが、ムーラン・オー・モワーヌのぶどうは、美しい酸味を残したクラシカルで熟成向きのワインを生み出しました。今飲み頃に入った、稀少な1本ですとのこと。

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