Westrey 2012 Oracle Vineyard Pinot Noir AVAはDundee Hills 2012はウィラメットヴァレーのみならず、北米西海岸のグレートヴィンテージ。その年の特徴が、このワインにはよく表れている、良くも悪くも。 初めに言ってしまうと、これは恐るべきハイクオリティワイン。飲み頃の幅も広いと思われ、もっと若く飲んでも良かったとも思うし、さらに寝かせても良いと思われる。 冷涼感がしっかりと表れやすいダンディヒルズの畑ゆえか、過熟感のようなものは感じない。しかしvtの特徴通り非常にパワフル、まるでロシアンリヴァーヴァレーのPNのように。いつも同じことばかり言ってしまうが、これもエレガンスとパワーが共存する、素晴らしいバランスのワイン。 もしネガティブな部分があるとすれば、酸の量。質は申し分ないが、絶対量が現時点では少なめ。瓶熟成する中でエステル化したこともあるだろうが、vtの特徴ゆえとも言えるのだろう。僕個人は問題ないが、ブルゴーニュ慣れしている方からするとそこはウィークポイントになり得る。 ブーケがムンムンして、熟成感が得られているのだから本来は問題にもならないが、無名ワイン、マイナー産地のニューワールドPNには付き物の指摘はあるだろう。 もう少し弱いvtのものも飲んでみたい。 素晴らしい出来の、クラクラするほど美味しいPN。

m.shingo