オーストリア、ヨハネスホフ・ライニッシュの「2019 リート・フラウエンフェルド・ツヴァイゲルト」です。 やや黒に近い、濃厚な赤色。 香りにはカシスとブラックベリー、黒胡椒などのスパイスにカカオやベーコン、動物的なニュアンスも。 とても深くて複雑な香りです。 味わいの果実は濃厚で凝縮感のある黒果実。 酸味はやや控えめで、渋みもやや感じます。 口の中でピリピリと刺激を受けるような、攻撃的とも思える荒々しさが印象的。 その向こうあるのが、赤い果実の華やかさ。 赤いベリーにチョコレートをかけたような、甘やかさとほろ苦さが伝わってきます。 一見、荒々しい。 でもそれを過ぎると華やか。 ツヴァイゲルトの個性なのか、ワイナリーの個性なのか。 ローヌのシラーにも似た、野性味あふれる面白いワインでした。

末永 誠一