~それはもう 遠い記憶~ 顔も声も 仕草も癖も 時間の遥か遠い向こうで 寂しさですら もう見えないのに 一人ぼっちがくれた苦さが 優しく包む そっこの底の真ん中で それでもあの日とおんなじ色で 変らず浮かぶ 一番大好きな笑顔と 大切だった。 きっと誰より何より。と、 胸張り迷わず叫べる想い。 何にも変わらず、、、いや、ほんのちょっと、 ちょっとだけ 大人になれた甘さを足して 〜 見えた貴方に…。〜 〜 そんな自分に…。〜 --。--。---。--。---。--。---。---。 酸いも甘いも踏み分けて 僕らは今日を歩いてる 来れた分だけ 大好きな あの日は遠くなるけれど きっと僕等がもう一度 出会える明日は無いけれど 何より大事な あの日々が 力をくれて ここにいるよと 笑って言える いつかが良いと どうしてもそう思うから。 琥珀色した三日月が 微笑むように 夜を揺らした。

月凪 怜

〜ノンナのジャム〜 風が肌寒くなる頃 庭いっぱいに広がる甘酸っぱい香りは 私をいつもワクワクさせた。 大好きなノンナが立つ暖炉の横で 絵に描いたように ウキウキと はしゃぎ回っては いつでも笑って怒られた。 コトコト楽しい音が 聞こえるソレは お酒の入った苦い甘さに ほんの少しだけ 大鍋を掻き回す 使い込んだヘラの臭いがして なんだかちょっとだけ 大人になったような 気分になれた。 お気に入りのパンを 思う存分 キラキラさせて 笑顔いっぱい頬張れば それはもうタマラない ほど幸せな時間。 いつかのそんな 甘い記憶が 頬をふっと緩ませる。 あの時の私を ちょっとだけ 大人にさせた お酒の香りも 今はもう 揺らしたグラスの中で 大切な人との大切な時間を優しく彩る ちょとだけ特別な物に変わっていた。 変わってくモノ 続くモノ それでも ずっと変わらないモノ きっと そんな当たり前が なんだかとても とてもとても ステキな事だと 、、そう思った。 ---。---。--。----。---。---。---。 恥ずかしながら最初がちょっと 想い出に寄り過ぎちゃったので…。 味を真ん中に置いたら こんな景色が見えました

月凪 怜