味わい |
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香り |
ワイン名 | Divella Clò Clò Dosaggio Zero Rosè |
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生産地 | Italy > Lombardia |
生産者 | |
品種 | Pinot Nero (ピノ・ネーロ) |
スタイル | Sparkling Wine(Rose) |
2024/12/25
(2016)
価格:5,000円 ~ 6,999円(ボトル / ショップ)
2016 ディヴェッラ・グッサーゴ ドサッジョ・ゼロ・ロゼ クロ・クロ グッサーゴ ロンバルディア/イタリア 火曜日のワイン。 クリスマス・イヴの夜、例年なら教会のイヴ礼拝に出席しているのですが、今年は12月22日がクリスマス礼拝だったことにより、教会でのイヴ礼拝がありません。 普通に仕事をして、普通に帰宅して、普通に晩ごはん…そんなクリスマス・イヴのご馳走は、塩麹漬けにした豚ロースのポットローストと麦ごはん、大根と油揚げのお味噌汁、鰊の昆布巻き、奈良・今西本店の純正奈良漬という和洋折衷のメニューです。 今西本店は、近鉄奈良駅すぐ側の三条通りにある江戸末期創業の老舗。 この世でただひとつだけ、「純正」を名乗ることを許された奈良漬は、最低3年、最長19年の熟成期間を経て世に出されます。 この日の奈良漬は、7年間(確か…)寝かせた、真っ黒で全然甘くないものですが、何とも言えない深い味わいの逸品でした。 メシ友にしたり単独で食べても、もちろん美味しいですが、チーズと合わせて熱燗(生酛系の熟成酒がサイコー!)やワインをペアリングさせたり、刻んで調味料のように使ったりしても良いですね♪ こんな晩ごはんに合わせたのは、イタリアの素晴らしく個性的なスパークリングワイン、ディヴェッラ・グッサーゴのノンドゼのロゼ泡、クロ・クロです。 樹齢30年のピノ・ネロ100%からつくられた、非常に複雑かつ繊細な泡で、この2016年産ベースのものから、ソレラシステムによるリザーヴワインが加えられ、力強さというか「太さ」のような要素がプラスされた印象です。 実は、このワイン、3年ほど前の2022年2月25日に、同じ収穫年で同じタイミングのデゴルジュマン、同じロットNo.のボトルを飲んでいて、その時のレビューに詳細なテイスティングコメントやつくり手のプロフィール、ワイン名の由来などを記しています。 今回のボトルも、その時の印象と大きくは変わりませんので、もしご興味のある方がいらっしゃったら、そちらのポストもご参照いただければと思います。 この日のワインは、基本的には3年前と同一線上の性格の香りや味わいの個体でしたが、経年によるまとまりの良さを感じる、熟(こな)れた状態を楽しめるボトルでした。 香りや味わいの複雑さはそのままで、以前はところどころ出っ張っていた粗さが磨かれて、より洗練され、統合感が強まっていた…そんな表現がピッタリかな? と思います。 それぞれの部分が無闇にはみ出したり、尖っていなくても、個性的な要素というものはハッキリ認識できるものなんですね⁉︎ いろいろ勉強になります(笑) この夜の食事とワインに合わせて聴いたのは、ノラ・ジョーンズのデビューアルバム『ノラ・ジョーンズ(邦題)/Come Away With Me(原題)』(2002年)。 リリースから20年以上経ったアルバムですが、いつ聴いても瑞々しさが失われないどころか、「熟成」によってその美しさに、さらに磨きがかかったように思われる傑作ですね♡ ありふれた声のようでいて、実際には誰にも真似のできない非凡さは、リスナーにとって「聴く」というより、「取り込む」「摂取する」みたいな感覚の唯一無二の個性。 聴いたことがあるのに、初めて聴く声質…いや、初めて聴いたのに、何度も聴いたことがある、とても懐かしい声というのが、このアルバムを初めて聴いた時の印象でした。 曲相やヴォーカルスタイルはブルースやフォーク&カントリー的だと思うのですが、アレンジや全体の印象がジャジーで、レーベルがブルーノートであることもあり、敢えてジャンル分けすればジャズなんでしょうかね? 個人的には、ジャンル分け不可能かつ無意味な音楽だと思います。 空気や水のように、特別な存在なのに、その特別さを上手く説明しづらい「特別過ぎる個性」が、このノラ・ジョーンズという稀有な存在のヴォーカリストではないでしょうか? デビューから、完璧な完成度のヴォーカル・アルバムと、長い時間をかけて成長していく過程の、まだスタート地点にいるような、対照的なワインと音楽の組み合わせになりましたが、個性のタイプには共通する「テイスト」が感じられ、意外に馴染みの良いペアリングになったようです✨✨
2022/02/26
(2016)
価格:5,000円 ~ 6,999円(ボトル / ショップ)
2016 ディヴェッラ・グッサーゴ ドサッジョ・ゼロ・ロゼ クロ・クロ グッサーゴ ロンバルディア/イタリア 金曜日のワイン。 帰宅後、娘ちゃんがつくってくれた晩ごはん、坦々風スープと豚肉とブロッコリーのオイスターソース炒めに合わせて、イタリアのロゼ泡をいただきました。 ディヴェッラ・グッサーゴは、ロンバルディア、フランチャコルタの東側にあるグッサーゴのワイナリー。 作り手のアレッサンドラ・ディヴェッラは、2010年、20歳の時に2haのぶどう畑を購入し、2012年からほぼ独学でワインをつくり始めたそうですが、あえてフランチャコルタを名乗らず、すべてのワインがドザージュを行わないノンドゼで、SO2も一切加えないという、徹底したこだわりぶり。 このクロ・クロは、樹齢30年のピノ・ネロ100%によるノンドゼのロゼで、収穫後、除梗せず低圧力でプレス、時間をかけることで色づいたモストを木樽に移し、自発的な醗酵へと進めます。 そのまま古バリックで約9か月熟成し、この年からの新しい試みとして、ソレラシステムによるリザーヴワインを加えているそうです。 そして瓶内二次発酵させ、42か月間オリと共に熟成させ、2020年11月にデゴルジュマンしたもの。 黒を基調としたデザインはスタイリッシュでカッコいいですね♪ 彼女の並々ならぬセンスの良さを感じます。 さて、コルクを抜いてワインをグラスに注ぎます。グラスは、リーデルのニューワールド・ピノ・ノワールをチョイスしました。 外観は、やや強めのピンクのトーンが入ったアプリコット・カラー。ロゼというよりはオレンジワインのような色味です。 泡立ちは非常にきめ細かく、勢いは弱めながら、持続性があり、とても細かいシルキーな微泡がいつまでも出続けます。 グラスからは、フレッシュなフランボワーズやチェリーのような赤果実と、アプリコットやオレンジ、パッションフルーツなど、様々な瑞々しい果実の香り。 薔薇のドライフラワーや、アプリコットやマンゴーのような黄果実のドライフルーツの香りもありますね。 オレンジピールのような爽やかな刺激、精油的なニュアンス、香水や木質系のインセンスのような鋭角的な香りもあり、全体としては、非常に複雑な香りのワインだと思います。 口に含むと、爆発するような酸の昂りがあり「甘酸っぱさ」が弾ける、目の覚めるような美味しさ! 味わいの輪郭は、とてもクッキリとした太い酸で描かれていて、素晴らしい強度と、動的なダイナミズムがあります。 基本的にはとてもドライで甘さはないのですが、果実由来の旨味が強く、甘酸っぱく感じます。 石灰的なミネラル感や塩味も強く、微かなほろ苦さも感じます。少しお出汁の効いた紫蘇梅のようなニュアンスもありますね。 余韻は、塩味が存在感を増しながら表に出てきて、酸の力強さを強調するような絡み方をする印象的なフィニッシュ。 これは、確かにフランチャコルタとはかなり異なる個性で、もちろんシャンパーニュにも現時点では似ていません。 現状、フレッシュな果実感と美しい酸のバランスが素晴らしく、かなり美味しいですが、発展途上のような印象も強く、もう少し(4〜5年?)熟成させることで本領を発揮してくれるものと思われます。 ところで、ワイン名の「クロ・クロ(Clo Clo)」は、畑の名前ではなく、アレッサンドラが慕う母クローデイア(Claudia)さんへのオマージュを示すキュヴェ名だそうです。 彼女のお母様のことは、もちろん存じ上げませんが、このワインには、豊かな人間性を持った素晴らしい女性に通じる個性を感じます。 複雑で繊細な香りと、味わいの強さや厚み、美しさとしたたかさが同居した、とても魅力的なワインだと思いました♪
2024/10/23
(2020)
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