オー・メドック地区の中でもマルゴーに近いマコー村に位置するカントメルルは、「カントメルル=さえずるツグミ」いう名にふさわしい美しい景観を持つ由緒あるシャトー。1855年の格付けでは5級の末席に位置し、1970年代まで停滞していたが、1980年代以降、フランスの保険会社SMABT社が所有し大々的な投資が行われ、ブドウの植え替えや熟成用セラーの新設、醸造設備の一新などの積極的な改善がなされた結果、品質を劇的に向上させ、格付け以上の実力を発揮する優良シャトーへと生まれ変わった。ブドウは手摘みで収穫され、2度の選果の後に発酵。熟成は、約50%をフレンチオークの新樽で合計12ヶ月間、最後にステンレスタンクに移され4ヶ月を経て、濾過は行わずに瓶詰めを行う。新樽率を抑えめに、熟成の期間をやや短めに設定することで、フレッシュな果実味としなやかなタンニンを活かしたバランスの良い味わいに仕上げている。