ライフ1000円。イタリアはシチリアのワイン。ネロダーヴォラやカベルネS、シラー、メルローのフルボディらしい。 外観は赤みがとても強い、澄んだガーネット。ルビーに近い明るさ。透明感が高く、グラス底がはっきり見える。脚は輪郭こそ細いが、2、3本太くゆっくり垂れる13.5%。 香りは閉じているが、しっかりした赤い花のニュアンス。軽いがジャムのような凝縮感のある赤いベリー。グレープルーツ香。ミントのような清涼感。あと不思議な事に、焼き立てのパンのようなほんのり甘いニュアンスがある気がする。 アタックは常温なのに冷涼感があり、するっと水のような舌触り。舌ではあまり味を感じず、飲み込むと喉で渋味や酸味を感じる。渋味や酸味は自体はそこまで主張せず印象はない。ただ度数通りに熱感はそれなりにあり、喉の奥や胃で熱をしっかり感じる。 甘味は僅かにあるが、熟れていない若い赤いベリーの印象。 渋味が一応主体。渋味自体は穏やかでクリア。ただあまり個性がなく、よく言えばニュートラル。僅かにローストな植物的なパサつき、タンニン感は口内全体が軽く乾く程度の穏やかさ。やはり舌より喉で感じるタイプ。 酸味はそこまで主張しないが、まろやかで中短程度の余韻はある。一応主体のローストなタンニン感を下支えする感じ。リンゴ酸的な切れ味のあるシャープな酸ではあるが、ツンとした感じは無い。酸のタイプも、甘さの無い林檎、特に姫リンゴ的。 全体的に丸みがあり、バランスは良いのだが、無個性。アルコールの熱感はあるので、そこそこ飲み応えはあるが、味わいの印象は薄い。 表記上はフルボディだが、間違いなくライトボディで、中口。 「濃厚で力強いブーケを持ち、熟したフルーツのニュアンスがたっぷりと感じられます。タンニンは程よく、ソフトでシルクのような印象を持ちます。」と表記されてるが、ブーケは弱く、ニュアンスはかなり若い。タンニンはまぁまぁ表記通り。 約1000円でフルボディを期待した自分が悪いが、無個性なので面白味はあまり無い。アルコールの熱感はしっかりあり、ニュートラルな飲み口なのでワインの評価基準の基準点として考えると悪くないかな？程度の評価。 不味い訳では決して無いので、ある意味評価に困る。約1000円でなら、もう少し良いワインは割とあるとは思う。

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