上幌ワイン 藤澤農園 余市ケルナー 塞翁が馬写真(ワイン) by Nozomu Iwashiro

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REVIEWS

ワイン上幌ワイン 藤澤農園 余市ケルナー 塞翁が馬(2014)
評価

4.0

味わい
ボリューム軽い
重い
タンニン控えめ
強い
甘みドライ
甘い
酸味まろやか
シャープ
果実味スパイシー
フルーティ
香り
    詳細
    シチュエーション
    飲んだ日2016-10-15
    飲んだ場所
    買った日
    買った場所
    購入単位
    価格帯
    価格
    インポーター

    COMMENTS

    Nozomu Iwashiro

    @ヴェレゾン 道産ワイン応援団。 貴腐が、混ざった、香り豊でボリュームもしっかり。素晴らしい(地元愛入ってます) ガットラブさんの10Rワイン このワインを作る過程は、ワイン造りのパズルのようなところがあった。 藤澤さんのケルナーのぶどうは、いつも外れなしの完熟で、糖度も風味も非常に高い。2014年ヴィンテージは、それに加えて、ぶどうにかなりの貴腐があった。仕込みの初めから、このブドウを野生酵母で発酵させるのは難しいと分かっていた。近代的なワイン製造では、原料ブドウに大量の亜硫酸を添加し(腐敗菌を殺菌するために)、選抜したイーストを加えて、ぶどう中の糖をできるだけ早く、完全にアルコールにするやり方が主流になっている。 最初に加えたイーストで全部の糖がなくならなかった場合には、さらなる手順が用意されている。残糖のあるワインは本質的に不安定であり、安定性を得るために以下のことを行う必要がある(と少なくとも教科書にはそう書いてある); イーストを再投入して発酵を終わらせる。もしくは 多量の亜硫酸を加えてイーストの動きを止め、瓶詰め後の二次発酵を防ぐ。もしくは 瓶詰時に無菌ろ過を施し、ワイン中のイーストや微生物を完全に取り除く。同じく瓶内での二次発酵を防ぐ。もしくは 瓶詰時に火入れを行い、瓶内二次発酵を起こす恐れのあるイーストを死滅させる。 教科書はさらに続ける。これらの手順は迅速に行うべしと。ケルナーなどの白ワインは、”フレッシュでフルーティーでなくてはならない“ので、瓶詰までの時間が長いと、出来上がったワインの果実味が失われるからだと。 この点について、我々なりに考えてみた。そして、選んだ道は;. 正直に言って、教科書が進めるやり方はどれも、やってみたいという気にならない。だから我々は違う方法を試してみた。つまり〝待った”のだ。「待つとどうなるんだろう?」という疑問には、これまでしょっちゅう突き当り、その度にとくと考えてきたが、試してみるチャンスはなかった。10R を始めて、そのチャンスが訪れた。我々は、待った。そして、待った。さらに、待った。 待っている間、ワインはゆっくりとではあるが確実に変化していた。発酵は確かに続いていたが、そのペースは実に遅々としていて、一年以上にもなった。糖度は少しずつ下がっていき、確かに果実味も多少は減り、それに置き換わったのは、心地よい円熟味と複雑さだった。最終的には(2016 年の年明けごろ)、食い切らない糖をワイン中に残したまま発酵が止まった。. さらに熟成させれば、複雑実が増すだろうけれど、微生物的安定性に関しては、それ以上の進展は見込めそうになかった。 そこで、我々は次の質問をしてみた。「さて、次は・・・?」 答えは今年の夏のある日にやってきた。タンクからのサンプルを試飲していて、「旨いじゃん。瓶詰めするか!」これが、2014 年藤沢農園余市ケルナー「塞翁が馬」の誕生の物語である。

    Nozomu Iwashiro

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