ドメーヌ・フィリップ・ヴァンデル　ヴァン・ジョーヌ　レトワール　2011 産地　フランス　ジュラ　AOCレトワール 品種　サヴァニャン（＝ナチュレ） アルコール度数　14.5% クロージャー コルク 外観は輝きと透明感のあるアンバー．シェリーのような香り，りんごのジャムや洋梨・白桃のコンポート，ナツメグやバニラ，ローストアーモンド，蜂蜜，コーヒーの香りがします．アタックはなめらかで，軽やかな甘みがあります．酸はしなやかで，豊かなミネラル感や熟した果実を思わせる果実感と調和し，溌剌かつ流れるようなボリューム感です．後味にはミネラル感とシェリー香をはじめとした複雑な余韻が長く残ります．とても美味しいと思います． AOCレトワールは小さな星の形をしたウミユリの茎の化石がよく見られること，また畑が広がる5つの丘の配置が星のように見えることから，フランス語で星を意味する名前がつけられたAOCです．白ワイン，ヴァン・ジョーヌ，ヴァン・ド・パイユの産生が認められています．ヴァン・ジョーヌは樽にワインを満量入れずに熟成させるため，ワインの表面に産膜酵母による皮膜が形成されるワインです．ソトロンと呼ばれる芳香成分により，アーモンドやヘーゼルナッツ，キャラメルなど複雑なフレーヴァーが生じます．用いられる品種はサヴァニャン100%．熟成とともにワインの色は徐々に黄色になります．収穫翌年から6年目の12月15日までオーク樽で熟成させ，うち60ヶ月以上は産膜酵母の下で熟成する必要があります．出荷は翌年の1月1日以降となります．熟成中はウイヤージュ，スーティラージュは禁止されています．そしてヴァン・ジョーヌが詰められるボトルはクラヴランと呼ばれる620mlという独特な容量となっています． この日は北海道産のコンテチーズに合わせました．教科書的に鉄板の組み合わせとされるヴァン・ジョーヌとコンテ，確かによく合いました！今度はコック・オー・ヴァン・ジョーヌを作ってみたいです．　

齋藤司