HUNDRED SUNS Shea vineyard Pinot Noir 2016 成功者が独立し、自らのワイナリーを立ち上げるというよくあるストーリー。 よくあるストーリーではあるが、よくある味わいなどでは決してない。 このハンドレッドサンズの作り手、グラントコールターはボーフレールで生産主任まで登りつめた人物。だからこそ新興ワイナリーにもかかわらず「シェイ」などというトップクラスのヴィンヤードの葡萄を入手出来るのだろう。 優れた作り手と優れた葡萄。ワインが素晴らしくないわけがない。 凝縮感が凄いのだが、それをエレガントさやシルキーさと両立させている。まるでトップクラスのカベルネソーヴィニヨンのワインのように。 とびきり上品なブラックチェリーを連想させるようなアロマ、ややオレンジの要素も感じさせる甘み。 多少、梅感のある酸は決して出しゃばり過ぎることはないのだが、熟成のポテンシャルを感じさせる高いレベルのもの。 個人的にはヤムヒルカールトンのPNはストラクチャーの強さが突出しているイメージがあるのだが、このワインはそんな事はなく、エオラアミティのような旨味の強さを感じる。シェイヴィンヤードの葡萄から作られたワインはどの作り手のものもそう感じるが。 間違いなく注目の作り手、そしてワイン。

m.shingo