Abadia de Poblet Blanco
アバディア・デ・ポブレ ブランコ

2.50

1件

Abadia de Poblet Blanco(アバディア・デ・ポブレ ブランコ)
味わい
ボリューム軽い
重い
タンニン控えめ
強い
甘みドライ
甘い
酸味まろやか
シャープ
果実味スパイシー
フルーティ
香り
  • レモン
  • グレープフルーツ
  • 白い花
  • タイム
  • バニラ
  • 石灰
  • カリン

基本情報

ワイン名Abadia de Poblet Blanco
生産地Spain > Mediterranean Region > Cataluna > Conca de Barberà
生産者
品種Parellada (パレリャーダ), Macabéo (マカベオ)
スタイルWhite Wine

口コミ1

  • 2.5

    2020/12/16

    (2015)

    価格:3,000円 ~ 4,999円(ボトル / ショップ)

    2015 アバディア・デ・ポブレ ブランコ コンカ・デ・バルベラ カタルーニャ/スペイン 火曜日に開けたワイン。一見、鍋のように見えるおでんに合わせていただきました。 10日ぶりにいただいたワインはスペインのバルベラ。 といっても私の偏愛する品種のバルベーラではなく、産地としてのコンカ・デ・バルベラというスペイン産白ワインです(笑) 品種はマカベオとパレリャーダのブレンドという、スペインらしい構成です(比率不明)。 1991年に、ユネスコの世界遺産に指定されたポブレ修道院所に併設されたワイナリーのワインで、現在の所有者はカヴァで有名なコドルニウ・ラベントス社。 ちなみにABADIA(アバディア)は「大修道院」の意味だそうです。 シトー派の修道士によって設立されたワイナリーの歴史は900年近くまで遡ることができ、このワインは標高600メートルに位置する単一畑からなるものとか。 ワインの外観は、強い光沢と透明度の淡いゴールドイエロー。 レモンやグレープフルーツのような柑橘系に白い花や麦わら、チョーク、ヴァニラ、ドライハーブが混じる、複雑未満の混みいった香り。 口に含むと、とても厚みがあり非常にドライです。 果実味は少し後退気味で、酸味は十分ですが控えめ、穏やかで尖ったところがありません。 印象的なのは強い塩味と苦味。舌の両サイドから口蓋にかけて強烈な収斂。少しザラついた小石を口に含んでしゃぶっているような刺激的な質感があります。 面白い味わいですが、全体がぴっちり折り込まれている感じで、ワインの状態が窮屈そうな印象です。 2日目以降の、香りや味わいの変化をみたいと思います。 実は、酷い腰痛を患ってしまい10日間、ワインというかアルコールから離れていました。 現在はほぼ完治しましたが、臥せっている間、いちばんたくさん聴いていたのがハロルド・ バッド&ブライアン・イーノwithダニエル・ラノワの『The Pearl(ザ・パール)』。 聴いていると、静謐、浮遊、浄化、安寧、救済、慰撫…そんなワードが頭の中に浮かんでは消え、消えては浮かんできます。 アンビエントミュージックの元祖にして完成形のような傑作♪ 聴くほどに安らぎと癒しを得られるヒーリングミュージックのど真ん中ですね。 このアルバムを何度も繰り返し聴いているうちに思ったことがふたつありました。 ひとつは、畏怖ともいうべき、とても敬虔な気持ちに近い感情を掻き立てられること。 直感的には、アルバムや曲の構造が中世や古代の宗教音楽にかなり近いのではないか?と思っています。 もうひとつは、唐突ですが、このアルバムの描き出す世界が『風の谷のナウシカ』のそれに、非常に近いのではないか? ということです。 症状が出てすぐの頃、夕方、腰の痛みを我慢しながらベッドでiPhoneを鳴らしていると、「An Echo Of Night」という曲になった途端、目の前に突然「腐海」の夜景が現れました! 見上げた天井には光を放つ翅蟲(ハムシ)が飛び交い、蛇螻蛄(ヘビケラ)の飛行音やゲタゲタいう鳴き声まで聞こえます。 慌ててザ・パールの録音年とナウシカの封切り日を確認すると同じ1984年。 1984年といえば、ジョージ・オーウェルの『1984』の年であり、アップルがマッキントッシュを発売した年であり、オウム真理教が設立された年でもあります。 当時の政治指導者は、アメリカはレーガン、ソ連はアンドロポフ(同年死亡)→チェルネンコ、イギリスはサッチャー、フランスはミッテラン、日本は中曽根という、東側は崩壊前夜、西側は、フランスが異彩を放っていますが、新自由主義バリバリのメンツですね。 東西間の緊張が高まり、出口のない閉塞感の中、極端な弱肉強食の過酷な世界が始まろうしていた時期。 政治や社会問題、音楽用語でもalternative(もうひとつの)という言葉が一般的になってきた頃だと記憶しています。 同時に、もともとは軍事用語だったvulnerability(脆弱性)という言葉が、あらゆるジャンルで語られ始めた時期だったとも思います。 このふたつの偉大な作品も、その大きな文脈の中にしっかりと根を張っていると私は愚考します。 ザ・パールとナウシカの間に直接のつながりがあるとは思えませんが、ただの偶然と片付けるよりは、ジャンルの異なるクリエーターを刺激する「何か」があったのだろう、と私は考えてしまうタイプなのです(笑) そんな思いを抱きながら飲むワインとして、この修道院のワインはピッタリな気がしました☆

    アバディア・デ・ポブレ ブランコ(2015)