南アフリカ、ポール・クルーバーのピノ2016。13年のシャルドネが衝撃のおいしさで、以来信頼している作り手です。 3種類あるピノ・ノワールのうち、廉価な村名版。その名も「ヴィレッジ」って、そのまんま。。 2500円以下で、ニューワールドのピノが飲みたい。そう思って同価格帯のNZのマッドハウス、アルゼンチンのクリオスとの3択で悩みに悩んだあげく、いちばん味が想像つかないという理由で選んだのがこれ。 ピノ・ノワール100%。フレンチオークで9ヶ月熟成したものを部分的に配合。この16年、海外のレビューは85点くらいで、評価の高い13年や15年に比べるとやや劣る感じでした。 抜栓。ファーストノートは、ツナ缶‥。冷やすとほんのりラズベリー。幽かにブルーベリーも。他に土や紅茶のニュアンスもあって、全体的にブルゴーニュルージュ的な香り。口当たりはソフトでボディは軽く、ドライ、ナチュラル、クリーン、ミネラル。あまりニューワールドっぽくない。ヨーロピアンでマチュアだけど、圧倒的に親しみやすい丸み。 南アフリカのピノで比べると、単体で主張してくるクルーガーみたいなケバい美しさとはまた違った、話しかけてくれるクラスメイトみたいなワインです。 飲みやすくて、タイプでした。ときどきルビーグレープフルーツみたいな甘酸っぱさも顔を出して、ちょっとドキッとする感じ。 GWに映画『ブラックパンサー』を観てから、アフリカがマイブームの私。ケンドリック・ラマー、ウィークエンド、シザ、など流行りのブラックミュージックを聴いていたら、南アフリカのワインが無性に飲みたくなりました。 ブルゴーニュピノ好きの方に、気軽に飲めるラインとしておすすめできそうな味です。 今後のヴィンテージによってはもっと良くなりそうな品質を感じました。

knami