チリ北部寄りのアコンカグア地方カサブランカ・ヴァレー、アラス･デ･ピルケ シャルドネ2019。シャルドネ100%。 ワイナリーはイタリアの名門中の名門、アンティノリと地元ワイナリーのジョイントベンチャー。 色味はやや濃いイエロー、香りはパイナップル、ミネラル、苦味を伴うグレープフルーツ。 飲み口は、アタックが豊かな果実味で、すぐにしっかりとした酸味ですっきりさを纏い、ラストにかけてがっちりと苦味で固めてくる。 1,300円と安いながら、果実感、ミネラル感、酸味、苦味など複雑に感じられ、コスパは掘り出し物級に美味いと感じる。 ただ、少しバイアスがかかっているかも… ちょっと話は逸れますが、そのバイアスの理由を。 今回使用したグラスは最近調達した木村硝子のピーボ62987-450、リーデル的に言うとオークドシャルドネなモデル。 ガラスのボウルが球体に近く、かつ間口が広いタイプ。香りをしっかり溜めながら、幅広のリム(飲み口)で、舌にしっかりと届けてくれるタイプのグラス。 本来、凝縮した果実味と柔らかい酸味をもつ白ワイン、つまりモンラッシェのようなコッテリ高級白ワインに適す形。 ところが、失礼ながら安いニューワールドワインを頂くと、通常のグラスでは何だか淡白で酸っぱいなーくらいのワインに対し、ぐいぐいと果実感を引き出しバランスを取ってくる、とんでもないパフォーマンスのグラス。 しかも、グラスといえばのオーストリア製、ステム(脚)も片手親指に力を入れれば折れそうなくらい細く長い仕立ての、職人の手作り。 これがまた定価で¥4,700と、性能&リーデルと比較するととんでもなく破格なグラス。 (実は行きつけのワインバーで分けてもらったためもっと安かった) グラスで味が変わるのは体感していたが、オークドシャルドネ系グラスはまた素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれる。 モンラッシェのような高いワインはもちろん、安い白ワインを頂くのが捗りそうな素晴らしいワイングラス。 お持ちでなければ是非。

TKR