2019 ドメーヌ・ド・モンラベッシュ　ブラン　ヴィオニエ　ペイ・ドックIGP　ラングドック・ルーション/フランス 木曜日のワイン。 仕事帰りに、職場からひと山超えた場所にある居酒屋で、同期3人集まって「お疲れ様会」。 この中の1人が今月末に定年退職を迎えます。 とはいえ、長期の有休消化もなく、そのまま継続雇用で働き続けるので、「卒業」という特別感はなく、中高一貫校の中学生が高校に上がる感じ？ お店は燻製をウリにした居酒屋さん。 私は初来店ですが、定年の同期は時々来ている店だそうです。 炙りベーコンやエビのアヒージョ、豚肉の山椒炒めなどに合わせて最初は日本酒をいただいていましたが、途中からボトルワインにチェンジしました。 白で何かオススメをというリクエストで出てきたのが、こちらのヴィオニエ100%、ペイドックの白です。 あえて存在感を消したような外観のボトルデザインに、ひたすら食事のサポートに徹しようという決意を感じます。ｶﾝｶﾞｴｽｷﾞ? 居酒屋っぽい、小さめのグラスに注がれたワインは淡いイエロー。ぱっと見、あまり特徴のない外観です。 グラスからは、穏やかな柑橘、熟した黄桃やアプリコット、白〜黄色の花の香りが控えめに漏れ出しています。 口に含むと、適度にドライでサッパリと締まった味わい。 熟した果実の旨みと程良い酸、苦みやエグ味も風味のアクセントとして効いています。 「ヴィオニエらしさ」はあまり感じなく、どちらかというと「南のシャルドネ」といった趣きのニュートラルな風味。 この個性を隠した中庸さは、様々な食材の個性を引き立て、和洋中・エスニック…どんなジャンルの料理にも合わせやすく、食卓のサポートに徹した味わいのように思われます。 料理とお酒を楽しみながら、3人で新入社員時代からの山あり谷ありだった37年間を、存分に語り合いました。 このワインには、舌を湿し会話を円滑に進める働きもあるようです。 総務部配属に始まって、あらゆる部署を経験した後、最終的には秘書室の束ねとなった彼の会社人生に、このワインの味筋がなんとなく重なるような気がします。 〇〇くん、お疲れ様でした。

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