ルーション地方のワインは、ここ数年の間にその味わいが大きく変わってきている。 フランスで最も南に位置し日差しの強いこの地域では、濃くてアルコール分が高く、もったりとして強く、やや田舎くさいタイプのワインが殆どだった。 ところが心ある生産者は、そんな風評を覆す、エレガントで気品に満ちたワインを生み出してきた。 ドメーヌ・ラゲールがそれだ。 特にラゲールの畑は、地中海から内陸に20km程入り込んだピレネー山脈の東端に位置し、標高も400～500ｍと異例なほど高い所にある。 アルプスを髣髴とさせる様な高原に位置し、日差しは強いが寒暖の差が大きく、ルーションとしては涼しい気候のため、爽やかさと気品・深い味わいを兼ね備えたワインを生み出している。 1862年、現オーナー、エリック・ラゲール氏の母方の曽祖父がこの地にてぶどう栽培を始めたのが由来だが、つい最近まで出来上がったワインは農協にバルクで売っていた。 エリックはそのやり方に満足せず、彼はこの地で最高のワインを生み出すことを心に秘め、すでにルーションで高い評価を得ているドメーヌ・ゴビーにてワイン造りの修行をした。 その後自分のドメーヌへ戻り、2000年から完全有機栽培、2001年からはビオディナミに切り替えてぶどうの栽培をし、そしてやっと2001年ヴィンテージから自分の名前のラベルのワインをこの世に出した。 ゴビー氏がぶどう栽培・ワイン造りを指導しているが、彼のワインのタイプとはまた違う、爽やかさとエレガントさが特徴のワインだ。 試飲会。 あまり印象に残らなかった。 果実味とスパイス感のあるいかにもルーションなワイン。

WINE NINJA