2021 ヴァル・ド・コンブレス　レ・シャン・マニエティック　ヴァン・ド・フランス（コート・デュ・ローヌ）/フランス 日曜日のワイン。 「デストロイヤー」という物騒な名前のジャガイモをいただき、濃紫&真っ黒な皮ごと蒸篭で蒸して、主食代りにした晩ごはんに合わせて、グルナッシュ・ブラン50%、シャルドネ50%という構成のローヌ産ナチュラル白を開けました。 ジャガイモ以外は、豚足の煮込み、鶏唐揚げ、烏賊ゲソフライ、タコ頭のピリ辛酢漬け、スモークサーモンの切落とし、ピーマンの丸焼きグリル、生湯葉の刺身という居酒屋メニューです（お料理は全部写真撮り忘れました…）。 こういうメニューだと、日本酒やビールが合いそうで、実際、最初は熱燗でいただいていました。 しかし、このドライな白ワインもなかなかのものです。 エチケットは、一目で記憶に残りそうな、ぐるぐる系の印象深いデザイン(@_@) 「ジャケ買い」必至な、強いインパクトがありますが、実はこのワイン、別のワインを手に入れるためのセット売りの抱き合わせアイテム。 「フランス産自然派白ワイン」という事前情報のみで、たまさか手元に届いたワインです。 外観は、透明感が強く深みのある色合いの淡いゴールド。 グラスからは、河内晩柑や小夏のような甘くてジューシーな、黄色い和の柑橘の香り。 そして、自然派ワインあるあるとも言える（？）、微かな揮発酸のニュアンス。 非常に香り高くアロマティックですが、派手さはなく地道に食欲を刺激するタイプ、つまり食事向きの香りだと思います。 口に含むと、香りで感じた「和の柑橘」感がさらに強まります。 ジューシーで瑞々しい果実味と適正な酸、上品な苦み、やや強めに感じる塩味、全体を引き締めるチョーク、鉄のようなメタリックなミネラル…。 細かな味覚要素を抽出すると、一見、多彩で複雑に見えますが、全体としてはシンプルに感じるほど強い旨みが支配的な味わい。 冷蔵庫キンキン温度から飲み始めましたが、時間が経って温度が上がるほどに良く開き、味わいの解像度が上がり、室温状態でモーレツな旨みが全開となります。 余韻は長く、和柑橘の皮の内側の白いワタみたいな、ふわっとした苦みが最後に残ります。 この上品な苦みが、お料理に合わせる際の万能感の礎ですね♪ このワイン、どんなタイプのお皿にもよく馴染みます。そして、食べ終わった後も、単独で飲み続けられる「飲み飽きしない」秘密も、このほろ苦さ故かと思いました。 しかし、この苦みはどこから来ているのでしょうか？ 品種由来とすれば、シャルドネではなさそうですから、残り半分のグルナッシュ・ブランに依るもの⁇ ちなみに初リリースとなった2020年産は、クレレット40%、グルナッシュ・グリ25%、ユニ・ブラン20%、グロ・ヴェール15%という構成だったそうですから、まったく違うワインですね(笑) 縦飲みしたら、ちゃんと同じ名前のワインだと認識できるのでしょうか？？？

iri2618 STOP WARS

すごい視覚効果！！ まるで持ち手のように飛び出て見えるので、注ぐ時に持とうとして突き指しないようにしなくては！(笑)

盆ケン

盆ケンさん　コメントありがとうございます。注文時点では、目当てのワイン以外はどんなのが来るのかわからないので、封を開けた瞬間に言葉通りの意味で眩暈がしました(笑) 写真で見てもなかなかのものですが、現物のぐるぐる度合いは凄いですよ！ 中身は普通にかなり美味しい白なので、真面目な話、オススメです。

iri2618 STOP WARS

凄いインパクト！錯視デザインに引き込まれて思わず親指と人差し指で輪っかを作っていました。 美味しそうですね。柑橘の皮内側の苦味を醸す長い余韻のブランは大好きです。コクトーツインズも好きです。

Teen Nasigoreng

Teen Nasigorengさん　コメントありがとうございます。ワインが届いて箱から取り出しパッキンを剥いた瞬間、目の前の空間がグニャリと歪みました（この時点でワインの予備知識ゼロ）。このワイン、ひと口めのインパクトこそ穏当ですが、ジワジワと浸透し納得させられる、味わいのクオリティは素晴らしいと思います。 この日は、所謂ストロベリームーンだったので、ハロルド・バッド&コクトーツインズの『The Moon and The Melodies』（1986年）を合わせてみました。美しい満月を愛でながら聴くこのアルバムの浮遊感とゴシック感が、この素晴らしいワインはもちろん、デストロイヤーという真っ黒（&濃紫）な見た目のジャガイモとも奇跡的な調和を生み出していましたよ(笑)

iri2618 STOP WARS