フランスはボルドー地方ブライ・コート・ド・ボルドー地区、シャトー・オー・ムノー ラ・クリエ2019。メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%。 色味はガーネット、香りはブラックベリーのバランスにカシスのニュアンス、はっきりとしたグローヴのスパイス香、森の下草、ロースト感のある樽香。 のみくちはやや重めの口当たり、ふくよかな果実味にバランス良い爽やかな酸味、厚みあるがきめ細やかなタンニン。 ボルドーの重いイメージを持って口に含むと、予想よりは軽やかなアタック。そのまま口中にしっかりと含むと、タンニンと酸でじわじわとした長めの余韻に繋がる。 ボルドー右岸の下流域のブライ地区で、土壌もメルローが好む粘土石灰質、ただ下流なので砂礫質混じり。それゆえに比較的まろやかなボルドー右岸の中でもさらにやや軽やかなワインが多いとのことで、このワインもそんな軽やかさのあるボルドー。 とは言えやっぱりボルドーなので単品よりは食中が良く、重すぎない口当たりから不必要に出しゃばることなく食に華を添える良質ボルドー。 ブライは歴史的に、その粘土質が災いし港に泥が堆積する為に船便が栄えず、それ故にあまり知名度が上がることなく地産地消が主体化だった土地。このワインもその為か、比較的お値打ちに楽しめるのがありがたい。つくづく粘土質様々。

TKR