味わい |
| ||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
香り |
ワイン名 | d'Arenberg The Nostalgia Rare |
---|---|
生産地 | Australia > South Australia > McLaren Vale |
生産者 | |
品種 | Grenache (グルナッシュ), Muscat (ミュスカ), Mourvèdre (ムールヴェードル), Shiraz (シラーズ) |
スタイル | Fortified Wine |
2021/03/15
価格:3,000円 ~ 4,999円(ボトル / ショップ)
NV ダーレンベルグ ノスタルジア レア・トウニー マクラーレン・ヴェイル サウス・オーストラリア/オーストラリア(375ml) 金曜日に少し味見して、日曜日の夜更けにいただきました。 外観は明るく透明なオレンジレッド。熟した柿のような色味ですね。 グラスからは、干したイチジクや杏子、プルーンのようなドライフルーツにキャラメル、ローストしたナッツの香り。 口に含むと、濃厚でまろやかな甘さに柑橘を思わせる強い酸が絡んで、しばらくの間、舌が痺れたような感触を覚えます。 滑らかで柔らか…官能的な舌触りと強い旨みとアルコールの刺激、そして太く長い余韻が続き…。 後口に残るのは、フレッシュな果実感という意外性。 ポートのようで、かなり違う個性のワイン。品種はグルナッシュ、シラーズ、ムールヴェードル、マスカットのブレンドというローヌセパージュ(比率は不明)。 オークの古樽で最長40年(平均15年以上)熟成させた酒精強化ワインに2年ごとに少量のグルナッシュと場合によりシラーズの酒精強化ワインを足して熟成させるという、ソレラシステムのような製法で、複雑さとフレッシュさを生み出しているようです。 時節柄、ご相伴にあずかったボンボンショコラのお供にもピッタリでした。 合わせて聴いているのは、素晴らしいプロデューサーであり、卓越したギタリスト、秀逸なヴォーカリストでもあるダニエル・ラノワが1993年にリリースした2ndアルバム『For the Beauty of Wynona』。 30年近く前のアルバムながら、時に磨かれ熟成を重ね、香り立つような芳醇な存在感を放ち続け、聴くたびに新鮮さを感じさせてくれる傑作です。 どこか浮遊感のあるサウンドは、遠くで鳴っている雷みたいな長閑さの中に、ヴェールを突然切り裂くナイフが目の前に現れたような緊張をはらんでいて、感情を強く深く揺さぶられます。 非常にインパクトの強い印象的なジャケットですが、パッケージのヴィジュアルと中身の音楽性が、これほど高レベルで美的に一致しているアルバムを、私は他に知りません このノスタルジアとの相性は、予想以上に素晴らしく、共鳴型というよりは相互補完型。ワインはより複雑さが際立ち、音楽はより官能的に愉しめます。 ワインと音楽で実に豊かなひとときを得て、思わぬパワーチャージができました。
2017/07/10