味わい |
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香り |
ワイン名 | Idée Fixe Brut Rosé |
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生産地 | Australia > Western Australia > Margaret River |
生産者 | |
品種 | Chardonnay (シャルドネ), Pinot Noir (ピノ・ノワール) |
スタイル | Sparkling Wine(Rose) |
2024/04/07
(2020)
価格:5,000円 ~ 6,999円(ボトル / ショップ)
2020 ヴァス・フェリックス イデー・フィクス ブリュット・ロゼ マーガレット・リヴァー ウェスタン・オーストラリア/オーストラリア 金曜日のワイン。 毎週金曜夜のルーティン、テニススクールからの帰り道、少し遠回りして、染井よしの桜の里公園の夜桜を車の中から眺めました。 帰宅後は、恒例の家族飲み(笑) お花見気分に合わせて、久しぶりにロゼ泡を開けました。 オーストラリアの西海岸、マーガレット・リヴァーの秀逸なワイナリー、ヴァス・フェリックスがつくるスパークリング・ワイン。 ワイン名の「イデー・フィクス/Idée Fixe」は、フランス語で「固定観念」や「強迫観念」(妄想とか執念の意も?)のことだそうです。 バックラベルによれば、このワイナリーは、何十年にもわたって伝統的製法によるスパークリングワインづくりに取り憑かれていたそうですが、それがマーガレット・リヴァー最南部に植えられていたミステリアスなシャルドネのクローンの発見に繋がり、そのシャルドネ を使うことで、ようやく彼らの執念が実現した…そんな思いが込められた「重い」名前のようです(苦笑) このブリュット・ロゼの品種構成は、シャルドネ91%にピノ・ノワール9%。デゴルジュマンは2021年12月となっています。 ヴィンテージは2020年ですが、南半球なので、ティラージュからの瓶熟期間は16か月稼げているようです(笑) ルイナールやコント・ド・シャンパーニュのようなずんぐりしたボトルからグラスにワインを注ぎます。 外観は、オレンジのトーンが強めの、やや濃いめのサーモンピンク。 勢いのある泡立ちで、持続性は弱め。 グラスからは、グレープフルーツのような柑橘系、ラズベリー、ザクロ、アセロラなど、熟した赤果実の香りが立ち上がります。 仄かにバターやヨーグルト、ビスケットの香ばしさ、ピンクペッパーやオレンジピールのピリッとしたニュアンスも! 口に含むと、きめ細かい泡の刺激が心地よく、柔らかな触感の第一印象ですが、すぐに、石灰的なミネラルの硬質さがすぐにとって代わります。 酸の効いた赤果実系の旨みに、微かな苦みがアクセントになっていて、非常にドライで上品な味わいです。 とても美味しいですが、硬さがまだ全然ほぐれていない感じで、開けるタイミングがちょっと早かったかな?と思わなくもない味わいです(苦笑) こういう、ちょっとした後悔の残る味わいは、実に「あと引き」なワインで、言い方を変えれば「クセになる」ワインですね♪ ところで、ワイン名のIdée Fixeは、音楽用語では、ベルリオーズが『幻想交響曲』で発明した「固定楽想」と呼ばれるもの。 特定の人や事柄に、それぞれを象徴する旋律が与えられ、その人や事柄が出現する度にその旋律が奏でられる…つまり、意味とメロディを一致させるテクニックです。 ワーグナーの楽曲で「動機」と呼ばれる、ライトモティーフ/Leitmotivと同じものになりますね⁉︎ というわけで、いささか強引ですが、このワインには、ワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』(カルロス・クライバー指揮・1981年)を合わせてみました。 本来なら、幻想交響曲を合わせるのがベターなんでしょうが、ただ単に、トリスタンとイゾルデの前奏曲を聴きたくなってしまったからです(笑) この楽曲全体に対しては、私は夜のイメージが強いのですが、前奏曲に関しては、沈みゆく夕陽を見ているような、黄昏刻の印象を抱いてしまいます。 そして、この夕陽のイメージが、こちらのロゼ泡には共通してあるように思いました。 クライバーの『トリスタンとイゾルデ』を聴きながらイデー・フィクスを飲んでいると、赤く染まったインド洋に没していく大きな夕陽…そんな光景が、期待通り、私の頭の中に浮かび上がってきました(本物は見たことないけど…笑)。 いやはや、音楽とワインの素晴らしいマリアージュを楽しませてもらいました‼︎