味わい |
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香り |
ワイン名 | Delinquente's Hell 2022 Light Red |
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生産地 | Australia > South Australia > Riverland |
生産者 | |
品種 | Aglianico (アリアーニコ), Montepulciano (モンテプルチャーノ), Arinto (アリント) |
スタイル | Red Wine |
2023/07/15
奇跡は起きないからキセキなんだ…何度となく胸の内で呟いた。 奇跡を願っていた。 危ないかもしれない、と言われて慌てて駆けつけたそこにいたのは全くいつもと違ったオクラ。 水槽の底に沈んで、ときおりフラフラと泳ぎ出す。 俺をみて少し反応してくれた。 やがてそのフラフラした泳ぎもしなくなった。 無理しなくていいんだよ、オクラ。 静かに寝てな。 動きが徐々に少なく緩慢になっていく。 朝まで持たないと思った。 何もできない俺。 覚悟はしていたけれど、奇跡がやはり起きなかったことが現実になっても全然受け入れられない。 5年前の縁日で連れて帰り、当時は野菜のオクラのように細かったのでそのままオクラ、と名付けた。 どんどん大きくなり15cmの巨体になった。 いつから覚えたのか水温計をコンコンと叩くようになり、やがて朝夕のご飯前にはコンコンと叩いて催促するようになった。夜中には眩しいから灯りを消せ、もう寝る、と催促もするようになった。 多分、世の中にこんな金魚はいない。 仕事などで帰って、玄関から水槽をみるとオクラもこっちをみてる。 水槽に近づくとお尻をフリフリしてくれる。口をぱくぱくして何か喋っている。 とぼけた顔だといつも言ってたけど本当はとっても可愛いと思ってたよ。 巨体のくせに弱っちくてその度にクスリとかエサを変えたりした。 水槽も狭いので大きくした。 縁日の300円より何十倍もかかったけど、その100倍、いや千倍、10000倍、もっともっとの癒しをオクラはくれた。 昼過ぎに、出かけている間にオクラは逝ってしまった。 動かない以外は何も変わらない。 黒く澄んだ瞳はそのままに、オレンジに輝く姿も変わらない。 でも、動かないんだ。 ヒレもエラも。 手放したくなくて、ベランダの鉢に埋めた。 明日はそこに花を手向けよう。 ほんとにほんとにありがとう、オクラ。 Hell light Red2022 献杯の一本 2023.7.14 オクラ永眠
2023/08/09