『No.923 しっとりした飲み心地』 昨晩、妻から「農夫のオムレツって知ってる？」と尋ねられた。知らないと答えると、ジャガイモとベーコンを使ったオムレツだそうで。明日作ったげるよと言ってくれた。 そんなことを楽しみにしながら、今日の休日出勤を乗り切り帰宅。 そんな今夜の夕飯のメニューは… ・ジャガイモとベーコンのキッシュ ・チキンソテー ・プチトマトのグリル それにご飯と味噌汁。あれ？オムレツじゃなかったの？と尋ねると、なんかキッシュにしたくなって…とのこと。キッシュも好きだからいいですよ。そして今夜はオーストリアのヴァイングート・スールナーのグリューナーヴェルトリーナー・ゴルトベルク2018年をお供に。前はゼルナーだったのが、いつのまにかスールナーになってる。読み方を間違えていたのかな？まぁいいか。安定の丸印は健在だし。 抜栓し、グラスに注ぐ。少し濁りのある黄金色。うっすらと柑橘っぽい香りが。そして一口…キュっと口をすぼめたくなる酸味。そして柑橘の果実味。少し苦みを感じるような柑橘。グレープフルーツや八朔。すこししっとりとした喉越し。後味にハーブの要素。草原の若草というよりはお庭で植えてるハーブ。 一緒に飲んだ妻は「何というか養命酒…いや、違う。お屠蘇だこれ」という感想。なんかわかるその感想。一般的なグリューナーヴェルトリーナーとは少し違う独特な風味。でもグリューナーヴェルトリーナーのはつらつさは感じられる。書いててよくわかんなくなるけどそんな感じ。 今夜のジャガイモとベーコンのキッシュにはとても合う。優しく明るいタッチの飲み口にはこういったのどかな料理が合うのかな？塩コショウであっさりしたチキンソテーを粒マスタードで食す。またこのワインと合うわけで。なんだかほっこりしてしまう。 初めの一口目は、ん？何だこの爽やかでありながら独特感の強い味わい…と思ってしまうが、杯を重ねるごとに、このワインのポテンシャルに驚かされてしまう…そんな一本。 ごちそうさまでした。

カリヤカ・ズノリ