抜栓直後はエッジにはほんのりとピンク色が入る淡くやや薄めのルビー、時間の経過にてグッと深みのある色合いに変化。樽や爽やかなハーブの清涼感にチェリー、スモモ、ダークチェリー、カシス、ラズベリー、ブラックベリー、プルーン等様々な赤黒系果実の香りが入り混じる。サンダルウッドやリコリス、コショウのようなスパイスにレザーやブラウンシュガー。アイリスやスミレのような紫色を連想させるフローラル感。鮮烈な香りがグラスから溢れる。ピンと張り詰めた清廉な佇まいだがその背後には凝縮された凄まじいエネルギーがひしひしと感じ取れる。香りの段階で完全に虜に。外観や香りとは裏腹に厚みのある肉感的なボディ。集中度のある果実味に緻密で繊細なタンニンが心地良くグリップする。きめ細かい酸。何とも硬度の高いミネラリーな後味が骨格のある、透き通るようなフィネスを演出。味わいも申し分無し。これが一級畑？並の生産者のグランクリュを遥かに上回る圧倒的な存在感。同じキュヴェの14年、17年を過去に飲み感嘆したがこの15年はそれらを上回る。自分史上1、2位を争う最高のジュヴレ。

AKI5878