『No.885 気持ちの良い世界にお誘いいたします』 月の始まり、週の始まり。   週末が夫婦互いの用があり、食材の買い出しに行けなかったので、妻が仕事帰りに。となるとこっから夕飯作るとなると、大変だ…っことで、僕は贔屓のとんかつ屋でテイクアウトを。   てなかんじで、今夜の夕飯のメニューは…   ・とんかつ盛り合わせ(ロース・ヒレ・チキン) ・キャベツと漬物   それにご飯と味噌汁といった具合。本来なら、各弁当にメンチカツがサービスされるはずだったのだが、昨今の値上げ事情に伴い、値段は上げない代わりに、メンチをカットって具合。世知辛い世の中ですなぁ。   そして今夜は、ドメーヌ・テッタのアッサンブラージュ2016年をお供に。カベルネ・フランとメルローが50％づつという配分で。以前2015年を美味しくいただけたので、俄然期待が。   抜栓し、グラスに注ぐ。この淡く美しい色合いで、美味しいであろうことが手に取るようにわかる…なんてのは贔屓かな？香りの方は明るい…というよりは、少しくすんだような感じの果実の香り。プルーンやブルーベリー、ラズベリーといった野性味のあるような。少しだけ茎っぽいニュアンスを感じなくもないかな。そして一口…あ、何だこの美味しさとやらは！   色合いこそ淡いが、旨味のある味わい！そしてほんのり感じるガス感。コリっとしたミネラル感もまた気持ち良い。果実の味わいに少しだけビターなコーヒーや、スーッとくるハービーさ。ほんの少しの湿り気を帯びたような腐葉土のニュアンス。そしてこれまた出汁っぽさが忍び込んでいて…思ったよりも複雑な要素が絡むが、難しく考えずにスルスルルーっと飲めるからたまらない。   今日のカツに実に合う。塩コショウでしっかり下味がついたカツはそのままでいただくか、和がらし、粒マスタードなんかで食す。レモンぶっかけでもイケる。果実味グッチャリな感じでもなく、かといって妙に重たさを感じるわけでもない。軽快で薄味そうながらも、しっかりとした旨味とバランスの良さが、実に気持ちよく、飲む側をどこか気持ちの良い世界に誘ってくれる…そんなワインじゃないだろうか。   なんてことを思ったり。 美味しかった。ごちそうさまでした♬

カリヤカ・ズノリ