『No.884 オックスフォード地のシャツ』 何となくではあったが、薄めの赤が飲みたい気分で帰宅した。家に着き、妻に献立を訊くと、炊き込みご飯に手羽と大根の煮物とのこと。おぉ、飲みたいワインにばっちり合うじゃん！ 部屋着に着替え、セラーから何を出そうか考えながら、テーブルを見たら… そんなこの日の夕飯のメニューは… ・手羽元と大根の煮物 ・ゴーヤのツナマヨ和え ・炊き込みご飯 これに味噌汁といった具合。そう、問題はゴーヤの和え物。そんなもの無視して、薄赤に行きたい…でも、ゴーヤのツナマヨ和えは大好き…見捨てるのは忍びない… ってことで、今夜は白に。イタリアはアブルッツォのラバスコの・ラ・サリータ2017年をお供に願います。トレッビアーノ・ダブルッツォ100％の一本。煮物に合うであろう…たぶん。 抜栓し、グラスに注ぐ。フワッと漂う杏や枇杷のような少しばかりオリエンタルな果実香。うっすらとハーブの余韻。そして一口…少し濃いめの色合いから、モワッと少し重めな味わいを想像していたが、思ったよりも優しげ。そして何より美味しい。旨味たっぷりだけど無駄に濃くはない。初めにくる甘味、そして豊かな果実味。酸味はほぼなし。アフターにほんの少し感じるビターな感じ。 案の定、妻が作る煮物と抜群の相性。なんだろな…止まんないんだよな。煮物を口に運ぶ手もグラスを口に運ぶ手も。どっちも誘ってくるんだもん。なんかずるい。そしてゴーヤのツナマヨ和えとは…うん、合わなくもない。ってな感じ。この日はこのワインで良かったかな。 何というか、とても着心地の良いオックスフォード地のシャツを着てるような感じ。ビロードのようにテロンといた感じでなく、サテンのようでもなく、ちょっとゴワっとした感じの。でも何度も洗濯し、着込んでいくうちに何とも言えない着心地になるそんな感じ。芯がありつつも、どこか柔らかく体を包み、通気性良く、快適に過ごせる…そんな感じの佇まいのワイン… …うーん、またわけわかんなくなりそうだけど、そんな感じ。 ごちそうさまでした！

カリヤカ・ズノリ