Pata Negra Cava Semi Seco
パタ・ネグラ カヴァ セミ・セコ

Pata Negra Semi Seco 原産国スペイン　ALC 11.5 % 　ペアリング 「ウインナーのベーコン巻き」 「市販！おかわり梅ザーサイ」 「涼しげなスイカ風おにぎり」 「クリーミージェラート」 濃桃〜こいもも〜 Häagen-Dazs BGM ♬クリフ・エドワーズ 『When You Wish upon a Star』 今夜は七夕ですね。子供の頃のような 純粋な気持ちで世界平和を願います。

カヴァ スパークリングワイン。生ハムのお供に。美味しかったです。

「ギシギシ」 ヤツが歩くたびに床が軋む。 ついに現れたトカチェフスキー。 長髪の巨漢だ。ピアニストというよりは、プロレスラーを彷彿とさせる。 長州力、テリーファンク… 今日はゲスト達に1時間づつレッスンをするという。 機密情報をリークするには絶好のチャンスだ。 容疑者は、… 中学1年生 男 T とその母親 中学1年生 女 Mとその母親 中学2年生 女 S 彼らの先生である ピアニスト Hとその妻M そして、ドイツに留学中の女子大生Hだ。参加を予定していたもう一名、ブタペストに留学している大学生Kは、コンクール直前、自転車に乗ってる最中事故に遭い、頭部を怪我して急遽来られなくなったという。 我々の組織が事前に容疑者を始末した可能性があるが、現時点で確認は取れてない。 一番の容疑者は、女子大生のHだ。 この娘は今日の昼よりグループに合流したが、午前中の監視パトロール中の俺にすれ違いざま、鋭い一瞥を送って来た。只者では無い。 二番の容疑者はピアニスト夫妻。特にピアニストHは古くからトカチェフスキーと親交あり、クサイ。 中学生3人とその保護者達に関して言えば、この2日間の監視の中で出た結論は白猫、いや、白である。一般人だ。 情報漏洩を未然に防ぐべく、全レッスンに張り込む。 「らんららんららんららんららんら、はいストップ」 「ワルツは8メジャー、4+4だ。最初の4フレーズで前に進み、後の4つはクローズ」 「フレーズの途中で、変なアクセントをつけるな」 「鍵盤を強く押すな、もっとリズミカルに」 … 最後の中学生のレッスン後半にピアニストH登場。しかし、会話は挨拶程度、何かを渡しているそぶりも無い。 間もなく中学生全員のレッスン終了。ここまでは目立った動きは無い。ふぅっと安堵ため息ついたその時である。中学生男子Tがお土産と称して、トカチェフスキーに何かを渡した。 しまった！これは、奪えない。インターセプトするのは明らかに不自然だ。 動揺を表に出さないよう、さりげなく振る舞いながら、どうにか中身を確認できないか考えていると、例の女子大生が現れた。集中したいから、全員出て行けと言う。やはりあやしい。しかし、残るのは不自然すぎて出来ない。 盗聴器だけ残して、部屋を出た。 盗聴出来る距離の限界はレッスン会場隣接の公園である。ゲスト一行の安全確保よりも、ここは情報漏洩対応が優先だ。 レッスン中の音声に怪しい所はない。 しかし、何かを渡していたら、万事休止。トカチェフスキーを抑えて吐かせるしかない。 その時、組織の連絡員より情報がもたらされた。例のブタペストの学生は敵の協力者だったらしく、トカチェフスキーに情報を渡す役目の諜報員へ情報をつなぐはずだったという。敵は別ルートで情報をつなぐしかなくなり、現時点では、現地諜報員は機密情報持っていないとのこと。 念のため、中学生男子に裏取り。 「何を先生にあげたの？」 「ショパンのキーホルダー。みんなにあげてるんだ」 と言うことは、今日は警備重視モードでOK。一気に気が楽になった。 ゲスト達がしばし部屋で休息取るというので、ワイン買い出しにスーパーマーケットへ。CAVAを見つけた。14PLN。500円。おいおい大丈夫かと思いつつ捕獲。 そして、夜。ゲストが寝静まったところで、ホテルのバルコニーでCAVAを開ける。なんとか寝酒にはなるな。 明日はコンクールだ。